Daily Brief
世界で今起きている事
おはようございます。オーストラリアでは、アルバニージー新首相が組閣プランを発表しています。今朝も「世界で今起きている事」をお伝えします。
- 上海が再び動き出した。新型コロナウイルスの感染拡大を抑止するため、2カ月間に及ぶ厳重なロックダウン下にあった中国で最も生産性の高い都市・上海は、公共交通機関の再開、企業の操業開始、住民の自宅からの解放を計画しています。
Shanghai, open again. After a strict two-month lockdown to slow the spread of covid, China’s most productive city plans to restore public transit, let businesses operate, and release citizens from their homes. - ロシアは、さらにガス供給を遮断。ロシア国営ガス会社のガスプロム(Gazprom)は、EUの制裁に違反してルーブルで天然ガス代金を支払うことを拒否した欧州企業3社について、天然ガス供給を停止すると発表しました。この発表は、EUがロシア産石油の75%の輸入を禁止することで合意した後に行われました。
Russia cut off more gas. Moscow said it would cut off three European firms from natural gas purchases after they refused to violate EU sanctions by paying in rubles. The decision comes after the EU approved a ban on 75% of imported Russian fossil fuel. - ウクライナは抵抗を続けている。ロシア軍が集中的に投入した部隊がウクライナ東部の要衝セベロドネツクを掌握。一方、国連は、ロシアの海上封鎖を回避してウクライナ産の小麦を確保しようとしています。
Ukraine continues to resist. Concentrated Russian forces seized control of Severodonetsk, an important city in eastern Ukraine, while the UN tried to get Ukrainian wheat around Russia’s naval blockade. - ヨーロッパは記録的なインフレを経験している。ユーロ圏の5月の消費者物価指数(CPI)速報値は前年同月比で8.1%上昇し、1999年にユーロ圏が誕生して以来、過去最高を記録しました。
Europe’s seeing record inflation. The eurozone reported 8.1% inflation in the last year, a record since its formation in 1999. - オーストラリアの内閣が男女同数に近づいた。アンソニー・アルバニージー新首相は、組閣プランを発表しました。23人の内閣のうち、財務相や外相を含めて10人の女性閣僚を任命しました。
The Australian cabinet is closer to gender parity. New Prime Minister Anthony Alabanese laid out his plans for governing, appointing 10 female members to his 23 person cabinet, including his finance and foreign minister. - BTSがJRBを訪問。韓国のポップミュージック界のスーパースターであるBTSが、ジョー・バイデン米大統領を訪問し、アジア系米国人や太平洋諸島出身者の米国文化への貢献を強調し、反アジア系ヘイトクライムを非難しました。
BTS is visiting JRB. South Korean pop music superstars BTS visited US president Joe Biden to highlight the contributions of Asian American and Pacific Islanders to US culture and condemn anti-Asian hate crimes.
What to watch for
米英の「仲直り」
今日1日、米国では英国からの鉄鋼・アルミニウムの輸入関税引き下げが実施され、また、英国では米国製品に対する報復関税が撤廃されます。
💸 2018年、ドナルド・トランプ大統領(当時)は、鉄鋼・アルミ輸入が国内経済を弱体化しているとして、「米国の鉄鋼メーカーを中国から守るために」追加関税を実施しました。これにより、鉄鋼業界には数千人の新たな雇用が創出されたといわれています。
🎈 今回この関税が撤廃されることで、米国のインフレ率が下がり、鉄鋼を必要とする商品──特に自動車のコストが下がるとみられています。
🍷 英国の報復関税は、リーバイス(Levi’s)のジーンズやバーボン、ハーレーダビッドソン(Harley Davidson)のオートバイ、ワインといった米国製品にかけられていました。これによる影響は大きくはなかったものの、対象となった産業は英国でのビジネスチャンスを失っています。
🤷 米国は、米国最大の貿易相手国である中国に対してトランプ時代の関税をいまも維持していますが、それによる利益は明確ではありません。バイデンは労働組合の怒りを買ったり、中国に弱みを見せたりしないよう警戒しているのでしょうが、米国で深刻化するインフレ対策にとって効果的とはいえません。ちなみにこれらの関税は7月に失効する予定です。
🧧 中国との貿易に関する懸念がすぐに消えることはないことを示す兆候もあります。今回の米英での合意のなかには、中国の事業体が所有する英鉄鋼会社については、中国政府からの不適切な影響が算定できるよう監査が必要となるという条項が盛り込まれています。
a wealthy crypto doesn’t use it
富まざるクリプト利用者
連邦準備制度理事会(FRB)がまとめた最新の調査結果によると、クリプトにおける投資家と利用者の間には、著しい「差」がみられます。前者は10万ドル以上の所得をもち、従来型の銀行システムを利用して貯蓄、消費、信用獲得を行う傾向がありました。一方で、クリプトを実際に使って物を買ったり送金したりする層には、銀行口座すらもっていない低所得者層が相対的に多いようです。
クリプトを支持する人たちは、クリプトは既存の金融システムを代替するものとして喧伝しています。しかし、このところクリプト市場が低迷なのは、従来型の金融市場の低迷に追従しているかのようで、クリプトに投資する企業・機関投資家は両者をリンクさせていると指摘するアナリストも多くいます。
クリプトは、インフレに対する安定した回避策でもなければ、銀行とは別の世界にある安全な現金保管庫でもありません。規制されていないハイリスクで不安定な投資、なのです。
SURPRISING DISCOVERIES
世界のトリビア
- 紙でつくられた街。タイ出身の29歳の男性は、電車網を備えた折り紙の街を製作。YouTubeのスターになりました。
- 惑星防衛が強化されている。研究者たちは、アーカイブ画像をスキャンして「キラー小惑星」の位置を特定するアルゴリズムを開発しました。
- 「チーズ転がし」が帰ってきた。この英国のスポーツ(?)は今週末に復活し、出場者は英国のグロスターにある丘で丸いものを追いかけることになります。
- NFTが複製できるようになった。この複製は「ミミック」と呼ばれ、アートNFTに見られるコードの一部を利用してつくられます。
- メタバースの不動産が500万ドル(約6.4億円)で売却された。記録的な取引が行われたのは、TCGワールドで、金融出版社が19の仮想不動産を購入しました。
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