Daily Brief
世界で今起きている事
おはようございます。今週も「世界で今起きている事」をお伝えします。米国では人工妊娠中絶を認めた判例が半世紀ぶりに覆り、激しい議論が起きています。
- G7諸国がロシアからの金の輸入禁止を発表する。これまでに、7カ国のうち4カ国が禁止措置に参加するとしています(詳細は次項「What to watch for」にて)。
G7 nations will announce an import ban on Russian gold. So far, four of the seven countries have said they’ll join the ban (more below). - 日本はエネルギー不足を警告。猛暑の中、東京と近隣8県では今日(27日)、電力供給が限界に近づくと予想されています。
Japan warned of an energy shortage. Electric power supplies are expected to be near their capacity in Tokyo and eight nearby prefectures today amid a heat wave. - ロシアのミサイルがキエフを直撃した。ウクライナの首都キエフの集合住宅が攻撃され、少なくとも1人が死亡、6人が負傷しました。
Russian missiles hit Kyiv. A residential apartment block in Ukraine’s capital was attacked, killing at least one person and wounding six. - 香港で5人が扇動容疑で逮捕された。香港は英国から中国への返還25周年を祝い、新政府の発足を宣言する準備をしています。
Five people were arrested in Hong Kong on sedition charges. The city is preparing to celebrate the 25th anniversary of the British handover and swear in a new government. - 中国では遼寧省丹東市の感染者数が急増するなか、上海市は新型コロナへの勝利を宣言した。疾病管理当局によれば、今回の流行では、感染経路がほとんど明らかになっていないとのことです。
Shanghai declared victory against covid as cases in Dandong flared up. Disease control officials said there is no clear origin for most cases in the current wave. - 地震で少なくとも1,000人が死亡したアフガニスタンに、緊急援助が届き始めている。国際的な支援を調整することは、暫定政権を担うイスラム主義組織タリバンにとって難題となっています。
Emergency aid started to arrive in Afghanistan after an earthquake killed at least 1,000 people. Coordinating international help has been a challenge for the Taliban. - ナイキが今日(27日)、決算を発表する。ロシア市場からの撤退を進めているナイキ(Nike)の株価は、今年に入ってから36%下落しています。
Nike will report its earnings today. Shares for the company, which is closing up shop in Russia, are down 36% so far this year.
What to watch for
G7サミットの論点
26日にG7サミットがドイツのバイエルン・アルプスで開幕。世界を覆うインフレと、長期化するウクライナ情勢下における(サミット中にもキエフにミサイル攻撃が実施されている)ロシアへの継続的な圧力について議論されています。
米国、英国、カナダ、日本は、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領政権の資金源を断つべく、ロシア産金の輸入を禁止する予定だと伝えられています。これについて、ジョー・バイデン米大統領は、G7諸国はプーチンとの戦いにおいて団結しなければならないと主張。4カ国以外の加盟国も、禁止措置に合意する方向で議論しており、サミット最終日の火曜日(6月28日)にも公式発表される予定です。
ロシア産金の最大の輸入国は英国ですが、英首相のボリス・ジョンソンは、この禁止令について「ロシアのオリガルヒ(新興財閥)に直接打撃を与え、『プーチンの戦争機構』の心臓部を叩くことになる」と言及。金の輸出はロシアに毎年約190億ドル(約2.5兆円)の収入をもたらし、石油とガスに次ぐ最大の輸出品として知られています。
Roe v. Wade: What you need to know
中絶禁止の余波
米国で人工妊娠中絶の権利を認めた1973年「ロー対ウェイド事件」(Roe v. Wade)の画期的な判例が連邦最高裁で覆り、週末、抗議デモが発生しました。Quartzではこの米最高裁の判断について、あるいは世界各国の法律との比較について、以下のような記事を公開しています。
- 🏥 これから米国で中絶手術を受けるには:中絶手術への規制は、当面は州によって異なります。カリフォルニア州、コネチカット州など中絶する権利を保護している州では、アラバマ州、アリゾナ州などの中絶禁止州から手術を求める渡航者へのサービスも強化されています。
- 🏛️ 米国の最高裁判事が非難する「中絶手術以外の自由」:同性婚や避妊具を入手する権利、同意の上での同性愛者間の性行為を認める過去の最高裁判例に言及しています。
- 🗣️ 反対意見を述べた3人の裁判官の主張:判決は6対3に分かれましたが、こちらの記事では少数派の判事たちの意見を引用して紹介。「国家は女性に子どもを産むよう強制できるようになる」などの表現もみられます。
- 📉 米国経済に与える打撃:ある研究では、中絶へのアクセスが認められることで、女性が管理職・専門職に就く機会を高め、所得を増加させることが明らかになりました。中絶禁止は特に女性に経済的打撃を与えることになります。
- 🌍 米国各州/世界の中絶法を比較すると:各国が中絶を認める期間はまちまちですが、テキサス州の法律は、世界的にも特に厳しいものとなっています。
- 🚫 人工妊娠中絶が違法とされている国リスト:中絶が完全に禁止されている国は、世界で20カ国以上あります。
SURPRISING DISCOVERIES
世界のトリビア
- 永久凍土に生息する微生物が、火星の生命に関する情報を明らかにするかもしれない。「寒冷で塩分を含んだ環境」は、地球と火星の類似点のひとつです。
- あるレストラン経営者がヨルダンの国民食「マンサフ」をカップで販売した。この新しい提供方法には、伝統への侮辱だとして非難の声も上がっています。
- 米西部最大の滝は、これまで一般公開されたことがない。工場やダムなどの産業構造物が、この自然の驚異へのアクセスを妨げているのです。
- NASAがオーストラリアで初の商業ロケットを打ち上げる。赤道付近の乾燥した地形は、打ち上げに理想的な場所です。
- 世界最大の細菌は人間のまつ毛サイズ。科学者によれば、最大2センチまで成長する可能性のある細菌、thiomargarita magnificaの発見は、エベレストと同じくらいの身長の人間を見つけたようなものだそうです。
📫 Quartz Japanは一日2通のニュースレターを配信しています。
🎧 Quartz Japanでは平日毎朝のニュースレター「Daily Brief」のトップニュースを声でお届けするPodcastも配信しています。
👀 Twitter、Facebookでも最新ニュースをお届け。
👇 このニュースレターはTwitter、Facebookでシェアできます。転送も、どうぞご自由に(転送された方へ! 登録はこちらから)。