新型コロナウイルスの感染者が激減したことで、米国の労働者は自信を深めています。
米労働省の最新データによれば、新型コロナウイルスを理由に自宅で働くリモートワーカーの割合は、2020年12月のピーク時の23.7%から11.6%に低下しました。
この報告は、米労働市場が「全体的に好調」だとしており、米国の10月の雇用者数は53万1,000人で、エコノミストが予測した45万人という数字を大きく上回りました。さらに前々月に発表された雇用者数も、23万5,000人増加するかたちで訂正されています。
零れ落ちている人たち
何カ月も前からエコノミストたちは「米国の回復は、パンデミック次第」と指摘してきましたが、今回の報告はまさにその指摘を裏づけるものといえるでしょう。外食産業やB2Bビジネス、製造業における大幅な雇用増加は、ビジネスが活性化していることを示しています。
しかし、好調にみえる10月ですが、約420万人が引き続き無職の状態であることも報告されており、回復に至る道を妨げるハードルがあることも示されています。
雇用が堅調に増加する一方で、就業者と完全失業者の比率を示す労働力人口比率は、61.6%と横ばいでした。25〜54歳までの労働力人口は0.1%増加しましたが、退職者数は過去最多です(特にベビーブーマー世代)。
女性の就業状況もまた、好転はしていません。10月の失業率は、9月の4.2%から4.4%に上昇しています。これは、家庭での育児を頼れる人がまだ不足しているためだと思われます。労働専門家のBetsey Stevensonによれば、パンデミック前と比較して、公教育の分野で5%、保育の分野で10%の労働者が、まだ不足しているのです。