Weekend:ポストコロナの「水ストレス」

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Weekend Guide

チャートで見る水経済

Quartz読者のみなさん、こんばんは。いつもは平日AM、PMにニュースレターをお届けしていますが、今日は特別版。日曜日の夜に、世界の「次」が見えてくる特集記事をお届けします。

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今日お送りするのは、Quartz(英語版)が毎週公開している「Guide」からの選りすぐり。「The Business of Water Scarcity(水不足を巡るビジネス)」と題した特集より、Quartzお得意のチャートを使った記事をお届けします。

新型コロナウイルスの感染拡大は、世界のあらゆる地域において公衆衛生との向き合い方の刷新を迫っています。そのためにも、水資源と産業との密接な関係を紐解く必要があるといえるでしょう。

Water Risk by Country

国別「水リスク」

水不足は世界中の企業にとって大きな関心事になりつつあります。ある特定の産業・経済は水問題に起因するリスクにさらされています。

石油や石炭などの天然資源とは異なり、現在、水取引に関する大きな市場はありません。というのも水は重く、輸送するのに経済的ではないのです。ゆえに今のところ、水ストレスに苦しむ国々は自国での産出量に依存せざるをえません。

Water risk by country

Scarcity Dilemma

水ストレスのジレンマ

各国の水の使用量は、経済事情によって大きく異なります。高所得国は工業用水として、貧しい国では農業・家庭用水として大量の水を使用する傾向があるようです。

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Industrial Use

産業と水の関係

特に水資源に依存している産業として、非営利団体Ceresはエネルギー産業や食品、鉱業、化学薬品などの特定の製造業を挙げています

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水を多用する産業に依存している経済圏では、産業そのものが水資源の大半を使い果たす傾向があります。米国では、経済が製造業からサービス業に移行したため、工業用水の使用は減少しています。

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Investment in Water Tech

VCも注目する水テック

データプロバイダーCB Insightsの分析によると、テクノロジーによってより効率的な水利用が実現されています。水に関するスタートアップが登場し、水インフラの整備や効率的な灌がい、脱塩や水処理に至るまで、あらゆることに取り組んでいます。

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もっともベンチャーキャピタル(VC)は、ことサステナビリティにおいて良好な記録を残せていません。

2000年代半ば、多くの有名VCはクリーンエネルギー投資に興味を示していました。名門VCクライナー・パーキンスのジョン・ドーアは、TEDのステージ上で涙を交えて語ったほどです。

しかし今日(こんにち)、投資家たちの多くは、クリーンテックを放棄しました。公共機関からの支援を得られなかったことや、エネルギー関連事業が多くの資本と長いタイムラインを必要とするがためです。

水に関する教訓があるとすれば、それは、新しいテクノロジーへの投資は公共からの投資や優れた支援政策、公共政策の改善と組み合わせなければならないということでしょう。


英語版(参考)はこちら

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