HERE’S WHAT YOU NEED TO KNOW
世界で今起きている事
Quartz読者の皆さん、おはようございます。香港版国家安全法が世界で波紋を広げる中、イギリスではサッカーのプレミアリーグ再開が発表されました。5月最後の金曜日、世界のニュースをお届けします(英語版はこちら)。

- 中国の香港版国家安全法の影響が広がる。中国の国会にあたる全国人民代表大会(全人代)が香港への国家安全法の適用を推進しようとしているため、香港に認められた優遇措置が問題となっています。英国、米国、オーストラリア、カナダの4カ国は共同非難声明を発表。英国は、返還前の香港に住んでいた人が取得できるBNO(英国海外市民)パスポートの所持者に対しては英国に滞在できる期間を延長すると発表した一方、米国は大学院で学ぶ中国人留学生に対するビザを取り消す方針だと報じられています。一方、香港の公共放送局、RTHK(香港電台)は運営見直しが検討されており、放送局の独立性を脅かす事態が懸念されています。
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More fallout from China’s Hong Kong security law. As China’s parliament moved to advance a national security law for Hong Kong, the city’s special status is in question. The UK, US, Australia, and Canada issued a joint rebuke, while the UK said it would extend visa rights to Hong Kong British national passport holders, and the US reportedly plans to cancel visas for Chinese graduate students. Meanwhile, Hong Kong’s public broadcaster is under review, which is seen as a threat to its independence. - アジア各国では、新型コロナウイルス対策の結果はまちまち。感染者急増を受けて、韓国はソウルを含む首都圏で、6月14日まで外出自粛などの厳格なソーシャルディスタンシング対策を再び実施する一方、フィリピンではマニラ首都圏などでの移動制限を6月1日から緩和することを計画しています。パンデミックにもかかわらず、日本政府発表のデータによると、2020年第1四半期の日本での死亡者数は多くありません。
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Around Asia, coronavirus measures have had mixed results. Following a spike in cases in the city, Seoul will reimplement strict social distancing measures through June 14, while Manila plans to ease up starting June 1. Despite the pandemic, government data shows fewer deaths in Japan in the first quarter of 2020. - ByteDanceは中国からさらに距離を置いている。Disneyの幹部を動画投稿アプリTikTokの新CEOに抜擢したことは、ByteDance(バイトダンス、北京字節跳動科技)が本拠地である中国の国外で事業を拡大していく上での始まりに過ぎません。それでも、米国のティーンは、TikTokで中国を賞賛することがアルゴリズムをうまく利用する方法だと考えています。また、別の中国のビデオアプリZynnが米国でローンチされようとしています。
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ByteDance further distances itself from China. Luring away a Disney exec for its new TikTok CEO was just the beginning as ByteDance grows its businesses outside of its home country. Still, US teens think praising China on TikTok is a good way to game the algorithms. And another Chinese video app is about to launch (paywall) in the US. - 誰もがインドのJioを欲しがっている。UAE(アラブ首長国連邦)アブダビの政府系ファンド、Mubadala(ムバダラ・インベストメント)とTwitterは、それぞれ親会社のインド大手財閥、Reliance Industries(リライアンス・インダストリーズ)と、約10億ドル(約1,080億円)を投資する交渉を行っています。GoogleとMicrosoftも、Facebookと複数の米国のプライベート・エクイティ(未公開株)投資会社に参加して大規模な出資を行うことを検討していると伝えられています。
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Everybody wants a piece of India’s Jio. Abu Dhabi state fund Mubadala and Twitter are in talks to invest about $1 billion each in parent company Reliance Industries, while Google and Microsoft are also reportedly considering joining Facebook and multiple US private equity firms in taking out sizeable stakes. - 米国の経済指標は依然として厳しい。現在、米国の労働者の4人に1人が失業保険を申請しており(これは、政府がどのように労働者を支援しているかにもよりますが)、商務省が発表した改定値によると、GDPは第1四半期に年率5%下落し、中古住宅販売成約件数は先月、急落しました。
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US economic data remains bleak. One in four US workers has now filed for unemployment benefits (but that’s partly due to how the government supports workers), revisions show that GDP dropped by an annual rate of 5% in the first quarter, and pending home sales tanked last month. - イングランドのサッカーが再開へ。6月17日のプレミアリーグキックオフは、アストン・ビラ対シェフィールド・ユナイテッド、マンチェスター・シティ対アーセナルの試合が予定されているので、カレンダーにマークしておきましょう。
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English soccer is back. Mark your calendars for a Premier League kickoff on June 17 with Aston Villa v Sheffield United and Manchester City v Arsenal matches.
Charting America’s third great bicycle revival
自転車リバイバル
何千人もの人々が、長い休止期間を経て自転車に戻ってきています。市場調査会社NPDによると、米国における3月の自転車と関連商品の売上は7億3,300万ドル(約790億円)に達し、昨年比44%増となりました。そして、この傾向は、一時的なブームではなく、持続するでしょう。
今回の米国史上3番目の自転車ブームは、アメリカの都市設計を再構築しようとしています。危険なニューヨークの通りで、最近、自転車での負傷者が減っていることからも、より安全な道を進む希望が見えてきています。
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We asked: Is coronavirus accelerating automation?
自動化は加速している?
“気紛れな金曜日”と呼んでください。今日はQuartzが質問をしています。アレックス・オッソラ記者が、セキュリティの専門家で、新刊本『Brun-In』の共著者でもあるPW・シンガーに話を訊きました。 シンガーは、オートメーションの広がりとそれに伴う深刻なプライバシーの懸念など、自身の調査で明らかになった世界的な変化の一部をパンデミックが早める兆候にあるとしています。
以下は、QZ&Aからの抜粋です。
QZ:大規模監視やAIは、SF的な想像力を超えているのでしょうか?
シンガー:遠隔医療などの領域では、私たちが10年後に訪れる未来だと考えていたことを、数週間のうちに先取りしたものがあります。夜間外出禁止令の取り締まり、病院や地下鉄の清掃、食料品の配達などにロボットが導入されています。
QZ:私たちは今、どうすべきなのでしょうか?
シンガー:AIとオートメーションの波は、私たちの現在の生活だけでなく、人類の歴史において、最も重要な技術かもしれません。それは単に、最新の産業革命に相当するだけでなく、道具をインテリジェントにしたことが、労働者に影響を与えるという新しい類のものです。
その結果、オートメーションは進めるべきではない、あるいは行き過ぎたと判断する分野が出てくるでしょう。テック企業に社会でのベータテストをただ任せるのではなく、議論し決断すべきなのです。つまり、私たちは、これらすべてをSFだと考えるのをやめ、代わりに、直面するであろう、AIの現実世界での活用法やジレンマを理解し始めなければなりません。
SURPRISING DISCOVERIES
世界のトリビア
- マーティン・スコセッシがロックダウン体験を短編映画に。英放送局のBBC Twoで公開された動画では、彼が休息を得てほっとしていた状態から、孤独への不安に至るまでの様子が詳しく紹介されています。
- スイスが次に再開を認めるのはセックスワーク。同国の保健相は、「保護の概念は可能なようだ」と述べましたが、この決定は 「奇妙に思えるかもしれない」 と認めました。
- スウェーデンの村全体を720万ドル(約7億8,000万円)で買うことができる……。自然の地下温泉の周りに建てられた田舎のオアシスは、62エーカーの敷地に70棟の建物が建っています。
- ……または、グライムスの魂の一部も買えるかもしれない。そのコンセプトアートは、歌手のデビューアート展の一部で、価格は「ベストオファー(交渉次第)」に設定されています。
- 米軍はトンネルを掘るロボットミミズを作っている。彼らは戦闘部隊への補給のために地下ルートを掘るように設計されています。
【今日の夕方は…】
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今日のPMメール「New Normal」は、「変化するVCブーム」をスライドとともに解説。かつて、ニッチな存在だったVC(ベンチャーキャピタル)は、2010年代に急成長を果たし、年間のディール数は約3倍にまで伸びました。しかし、今回のCOVID-19によって、VCをめぐる環境は一変しています。
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