Africa:大陸全土のエンジニアを組織せよ

Africa Rising

躍動するアフリカ

Quartz読者のみなさん、こんにちは。COVID-19を機に、アフリカの才能ある開発者たちが世界に認められる機会が生まれています。英文記事はこちら(参考)。

Andela
Andela
Image: Andela

開発者向けアウトソーシング会社のAndela(アンデラ)は、運営モデルを大きく転換しています。

今年5月に135名の人員を削減し、世界各地のオフィスを閉鎖した同社ですが、完全リモートによるオペレーションを採用。これまで対象としていたナイジェリア、ケニア、ウガンダ、ルワンダ、ガーナ、エジプトの6カ国からアフリカ全域に範囲を広げ、幅広く開発者からの応募を受け付けるようになりました。

同社の“アフリカ全域を対象としたリモートモデル”とは、どういうものなのか。それは、アフリカに住む開発者・エンジニアが応募し、採用されると、Andelaのクライアント(通常の場合、エンジニアリング人材を必要としている米企業がほとんど)とマッチングできるオンラインマーケットプレイスなのです。

a significant shift

変化は起きるべくして

Andelaはこれまでにも、ガーナやエジプトからの遠隔でのオペレーションを行ってきた歴史があります。また、それぞれの国の首都以外からのエンジニア受け入れも実施してきました。

同社は現在、最も需要の高いウェブフレームワークやプログラム言語に精通したシニア開発者からの応募を、アフリカ大陸全域で受け付けています。ただし、開発者はAndelaが雇用するのではなく、プロジェクトごとに契約することになります。

Andela’s Lagos office.
Andela’s Lagos office.
Image: Andela

創業当時のAndelaのビジネスモデルは、アフリカ全土の新人開発者を世界と競えるレベルになるまで育成し、その後4年間の契約期間内に開発者のスキルをクライアントにアウトソーシングすることで収益を得るというものでした。

つまり、トレーニングプログラムを提供することで、それまで開発者の手が届かなかった仕事につながる機会を生み出してきたのです。その思想への賛同は多く、Facebookのマーク・ザッカーバーグや米元副大統領のアル・ゴア、テニスのスーパースター、セレーナ・ウィリアムズらから約1億8,000万ドルを調達していました。

Grand slam champion by day, investor by night.
Grand slam champion by day, investor by night.
Image: Reuters/Geoff Burke-USA TODAY Sports

しかし、いま、その方針は大きく転換しています。Andelaの新しいモデルは、自社のプラットフォームに契約したエンジニアを派遣することにあります。

Andelaの最高経営責任者(CEO)のジェレミー・ジョンソンは、リモートへの転換とスタッフのレイオフを決定したのは、「COVID-19によって加速された」コスト削減のためだと認めています。Andelaはこれまで、ナイジェリアやケニア、ウガンダ、ルワンダのほか、米ニューヨーク、サンフランシスコ、そしてテキサス州オースティンにもオフィスを構えていました。

Beyond Legacy tech markets

世界に挑む開発者たち

一方、ジョンソンはこの方針転換によるメリットも認めています。

「才能をいかに活用するかを突き詰めて考えると、物理的なオフィスはある種、問題となりえます」と、ジョンソンはQuartz Africaに語っています。

オフィスがあるということは、オフィスのある都市で働くことを義務づけることにもつながります。それは、開発者が働く機会を得ようとするとき、障壁にもなりえるというのです。

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実際、GitHubの2019年の年次レポート「State of the Octoverse」によると、アフリカの開発者がソフトウェアエンジニアリング・マーケットプレイス上で作成したオープンソースリポジトリの数は前年より40%増加しており、世界のどの大陸よりも高い成長率を示しています。

開発者の貢献度という点では、マヨットやシエラレオネ、チャド、セイシェル、アルジェリア、ギニアビサウなどの国で大幅な成長が確認されているのです。

Andelaは2014年に設立されて以来、その運営モデルを更新し続けてきましたが、今回の方針転換が最後になる可能性は低いでしょう。ジョンソンはQuartz Africaに対し、同社は最終的にはアフリカだけでなく世界中のソフトウェアエンジニアに対してネットワークを開放していくと述べています。


This week’s top stories

今週の注目ニュース

  1. Appleはアフリカを“発掘”。Apple Musicはアフリカ大陸のアーティストをフィーチャーするプログラム「Africa Rising」をスタートさせました。同サービスの編集チームが2カ月ごとに1人のアーティストを世界中のApple Musicユーザーに紹介することになっており、第1弾アーティストとしてナイジェリア生まれのOmah Layが取り上げられています。
  2. リサイクル可能な新紙幣のゆくえ。アンゴラ中央銀行は7月30日から新たな紙幣を発行する予定です。原油輸出国のひとつであるアンゴラは、COVID-19による経済の落ち込みで大きな打撃を受けており、IMFによる実質GDP成長率見直し(6月29日)においても4.0%減とされています。
  3. 南アフリカのCOVID-19感染者数が20万を超える。南アフリカでの症例数は過去2週間で2倍以上となり、7月7日(現地時間)時点での感染者数は205,721となりました。ただし、死亡率は1.16%と、アフリカ大陸の他の国(エジプト:4.49%)に比べて低いようです。
  4. ローカルなVODサービスへ。南アフリカのストリーミングサービス「Showmax」が、新たなサービス「Showmax Pro」を発表しました。音楽やニュース、スポーツのライブストリーミング(プレミアリーグ、セリエAなど)を配信し、7月7日にナイジェリア、ケニアでスタートする予定です。提供者側は「ハリウッドが提供する最高のサービスだけでなく、アフリカのストーリーを提供する」と、ローカリティを強調しています

(翻訳・編集:年吉聡太)


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