Daily Brief:中国ワクチン、見切り発車

HERE’S WHAT YOU NEED TO KNOW

世界で今起きている事

Quartz読者の皆さん、新しい1週間がスタートしました。中国で始まったワクチン投与は、国内のみならず世界中の中国人労働者(と彼らが働く国々)にも影響を与えることになります(英語版はこちら)。

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Image: REUTERS/THOMAS PETER
  1. TikTokは米国政府を訴えるつもりだ。中国企業のByteDance(バイトダンス、北京字節跳動科技)が運営するこのアプリは、土曜日(22日)、ドナルド・トランプの大統領令に異議を申し立てる訴訟を翌週にも起こすと発表しました。大統領令では、TikTokの米国事業を米国企業に売却しなければ、事実上、使用を禁止するとしています。
    ⚖️
    TikTok plans to sue the US government. The app, owned by Chinese company ByteDance, said on Saturday that it will file a lawsuit this week challenging Donald Trump’s executive order, which would effectively ban TikTok if it doesn’t sell its US operations to an American company.
  2. 中国は、高リスクグループを対象にCOVID-19ワクチンの緊急投与を実施。保健当局者が国営メディアに語ったところによると、医療業界や運輸業界で働く人々は、このウイルスに感染し拡散させる可能性が最も高く、免疫を高めるために、臨床試験段階のワクチンの接種を受けています。パプアニューギニアは、このワクチンの投与への懸念から、中国の鉱山労働者の入国を禁止しました。また、中国は、昆虫細胞で培養した新しいワクチンをヒトでテストする計画も発表しました。
    🐞
    China has been testing Covid-19 vaccines on high-risk groups. A health official told state media that workers in industries like healthcare and transportation have received doses of experimental vaccines in a bid to boost the immunity of those most likely to catch and spread the virus. Papua New Guinea banned Chinese miners from entering the country over concerns about the vaccine trials, while China also announced plans to test a new vaccine grown in insect cells on humans.
  3. インドの最高裁は言論の自由をめぐる論争を引き起こした。インドにおける言論の自由の保護が問われた事例として広く受け止められていたこの裁判で、同国の最高裁裁判官を批判するツイートを投稿したとして法廷侮辱罪に問われた著名な人権派弁護士、プラシャント・ブシャンについて、裁判所は有罪と判断しました。ブシャンは懲役刑を科される可能性もあります。同国では現在、新型コロナウイルスの新規感染者数が世界で最も多くなっています。
    🤐
    India’s Supreme Court sparked a free-speech controversy. In a case widely seen as a test of India’s free-speech protections, the court found prominent civil-rights lawyer Prashant Bhushan guilty of contempt of court for posting tweets critical of the country’s top judges. Bhushan faces possible jail time. The country currently has the highest number of new Covid-19 cases in the world.
  4. 中国と韓国がテーブルについた…。両国の高官が韓国・釜山で会談し、貿易や、北朝鮮との非核化交渉の行き詰まりなどについて議論。昨年末のCOVID-19の発生以来、パンデミックについて議論するのは初めてです。
    🍽
    China and South Korea came to the table … High-level officials met in Busan to discuss trade, stalled denuclearisation talks with North Korea, and the pandemic for the first time since the Covid-19 outbreak late last year.
  5. …一方、韓国ではCOVID-19の症例が急増。同国は日曜日(23日)、1日当たりの新規感染者数が3月以来で最多を記録したと発表。ソーシャルディスタンシング(社会的距離)についてのガイドラインを強化すると述べました。主要な感染例はソウルの教会に関連したものですが、彼らは接触追跡を強制することは、礼拝の自由を侵害するものだとして、市当局者を訴えるとしています。
    🙏
    … As Covid-19 cases in South Korea surged. On Sunday, the country reported its highest daily rise in Covid-19 cases since March and said it would toughen social distancing guidelines. A major outbreak was linked to a church in Seoul that plans to sue city officials for enforcing contact-tracing in ways it says violated its right to free worship.

what to watch for this week

世界の「今週の動き」

  • 月曜日:深圳証券取引所のスタートアップ向け市場、ChiNext(創業板)が、1日あたりの値幅制限を拡大した新しいIPO(新規株式公開)スタイルのシステムをデビューさせる▽シンガポールの新しい議会が開かれる▽米共和党の全国大会がスタート
  • 火曜日:中国の最高政治諮問機関は、5カ年計画を策定するために会議を開く▽英航空大手のヴァージン・アトランティックの救済策をめぐり、ロンドンの高等法院で採決▽決算=ベストバイ(Best Buy)、セールスフォース(Salesforce)、ノードストローム(Nordstrom)。
  • 水曜日:台湾政府関係者と米国は共同で5G無線通信の保護に関するフォーラムを開催▽決算=Box、Tiffany、ウィリアムズ・ソノマ(Williams-Sonoma)。
  • 木曜日:国際経済シンポジウムのジャクソンホール会議を初めてオンラインで実施。中央銀行首脳らが集まり、FRB(米連邦準備理事会)のジェローム・パウエル議長の基調演説も予定されている▽ドナルド・トランプがホワイトハウスで共和党の大統領候補指名受諾演説▽RCEP(東アジア地域包括的経済連携)閣僚会合で、自由貿易協定の詳細を議論。
  • 金曜日:中国の銀行は半期ごとの収益を報告▽中国の航空会社の決算米個人消費支出を公表。

US liquor imports during Covid-19

「国産酒」人気の理由

2020年第2四半期、米国が海外から輸入したアルコール類の輸入額は約18億ドル(約1,900億円)。2019年同時期の25億ドル(約2,600億円)と比較すると、30%近く減少しました。この業界を長年みてきた“アルコール博士”ことアダム・レヴィによると、この変化は主に3つの要因によるものだといいます。

まず、全国のバー、レストランがCOVID-19の影響で閉店、あるいは客足が減少し、需要に影響を与えていること。2つめは、2019年10月にトランプ政権がヨーロッパ製アルコール類に25%の関税を課した結果、その輸入が割高になったこと。最後に、国産品の品質が上がり、種類も豊富になったため、米国人が海外ブランドに目を向けることが少なくなったことが挙げられています。

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SURPRISING DISCOVERIES

世界のトリビア

  1. ゲーマーたちはフライトシミュレーターでジェフリー・エプスタインの隠れ家に突撃。Microsoftのゲームであれば、リトル・セント・ジェームズにある有罪判決を受けた性犯罪者の私有島の“デジタル版”にも飛んでいけます。
  2. 日本で「クレジットカード番号」が不足。カード発行会社によると、パンデミックの影響で人々が“おこもり生活”を送りオンラインショッピングをするようになったため、16桁の数字の組み合わせが不足しているようです。
  3. 台湾のIKEAが『どうぶつの森』に変身。この家具メーカーはFacebookで2021年のカタログを公開、ゲームに登場するアイコニックなキャラクターを用いたバージョンを公開しました。
  4. イギリスの科学者たちはミイラ化した動物を「デジタル」で紐解く。新しい3Dスキャナーの導入によって、2,000年前のヘビや鳥類、猫がどのように生き、どのように死んでいったのかを観察できるようになりました。
  5. 日本の博物館がパンデミックをキュレーション。日本の北海道にある浦幌町立博物館は、COVID-19下での生活を後世に伝えるために、日用品を収集しています。

【今日の夕方は…】

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Image: REUTERS/SHANNON STAPLETON

本日24日の夕方にお届けする「Next Startups」では、空間にいる人の数をリアルタイムかつ正確に把握する、あるスタートアップをフィーチャー。人の「密集度」の管理が生活のあらゆる場面で重要視されるなか、同社のデバイスは空前の売れ行きをみせています。


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