Daily Brief
世界で今起きている事
Quartz読者の皆さん、おはようございます。12月も後半になり、寒く冬らしい日が続くようになりましたね。米国では注目の公聴会が開かれます。今日もDaily Briefから世界のニュースをチェックしましょう(英語版はこちら)。
- バーラト・バイオテックのワクチンには、第1相試験では重篤な副作用はなかった。インドの規制当局は、バーラト・バイオテック(Bharat Biotech)が開発している「コヴァクシン(COVAXIN)」について、安全性データの追加提出を求めていました。コヴァクシンは現在、第3相試験中で、まだ緊急使用許可が承認されていません。一方、米当局者は、米製薬大手のファイザー(Pfizer)がワクチンの製造上の課題に取り組んでいると述べました。
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Bharat Biotech’s Covid-19 jab had no serious ill effects in phase 1 trials. Government regulators had asked for more safety data on Covaxin, which is currently in phase 3 tests, before giving it emergency authorization. Meanwhile, the US said Pfizer is working on production challenges for its vaccine. - インドネシアの大統領が国で初めてワクチンを接種へ。接種は誰でも無料ですが、他の国とは異なり、18歳から59歳の人が優先的に接種を受けられます。
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Indonesia’s president will be the first in the country to get a vaccine. Jabs will be free for all, but in contrast to other nations, those aged 18-59 will be vaccinated first. - WHOが主導し、武漢でCOVID-19の起源を調査することになった。世界保健機関(WHO)の専門家が率いるチームは、2021年1月に中国・武漢に到着する予定です。
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The WHO will lead an investigation into Covid-19’s origins in Wuhan. A team headed by experts from the World Health Organization will arrive in the Chinese city in January. - 米マサチューセッツ州はユーザーの保護に失敗したロビンフッドを告発した…。州の規制当局は、投資アプリのロビンフッド(Robinhood)が、経験の浅い投資家を狙って「不必要な取引リスク」にさらしたとして、申し立てを行いました。
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Massachusetts accused Robinhood of failing to protect users… State regulators filed a complaint stating the trading platform targeted inexperienced investors and exposed them to “unnecessary trading risks.” - …そして、米国の10州はアドテク業界での独占権を持つグーグルを非難した。グーグル(Google)に対してテキサスなど10州が新たに起こした反トラスト法違反訴訟では、2008年に同社がダブルクリック(DoubleClick)を買収して以来の行動に焦点を当てています。一方、フェイスブック(Facebook)は、アップル(Apple)が広告物のデータ収集に新たな制限を加えたことが反競争的行為であると主張しています。
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…and 10 US states accused Google of having a monopoly in adtech. The latest antitrust suit against the tech company focuses on its behavior since its 2008 acquisition of DoubleClick. Meanwhile, Facebook claims Apple’s new restrictions on data gathering for advertising purposes are anticompetitive. - オーストラリアは中国との貿易紛争をエスカレートさせている。オーストラリアが大麦への反ダンピング関税をめぐり、中国を世界貿易機関(WTO)に提訴すると発表しましたが、北京は動じていないようです。1年におよぶ200億ドル(約2兆700億円)規模の大麦関税紛争は、牛肉やワイン、石炭をめぐる紛争にまで発展しています。
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Australia escalates its trade dispute with China. Beijing seemed unfazed by Australia’s first World Trade Organization investigation into a year-long, $20 billion barley tariff dispute that has grown to include disagreements over beef, wine, and coal. - スイスとベトナムに新たなラベル。米財務省は、この2つの国を、貿易で有利になるように意図的に通貨を安く誘導している「為替操作国」に新たに認定しました。また、中国を含めた10の国と地域を「監視リスト」に指定しました。
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A new label for Switzerland and Vietnam. The US Treasury announced two new currency manipulators and placed 10 other countries, including China, on a watchlist of nations accused of devaluing their currencies.
What to watch for
危機は終わっていない
米議会は危険なオピオイドの製造メーカーを尋問します。米下院の監視・政府改革委員会は今日(17日)、米製薬パーデュー・ファーマ(Purdue Pharma)を所有する秘密主義な億万長者一族のメンバーであるデビッド・サックラーとケーテ・サックラーを呼び、尋問する予定です。同社は最近、医療用麻薬オピオイド入りの鎮痛剤オキシコンチンを不正に販売し、この薬を患者に処方してもらうために医師らに金銭を提供していたとする罪を認めました。
サックラー家はオキシコンチン中毒者を犠牲にして、推定130億ドル(約1兆3,450億円)とも言われる財産を築きましたが、わずか2億2,500万ドル(約232億円)の罰金を科せられただけで、刑事責任を問われることもなく、うまくこの問題を切り抜けました。この一家は、公の場での説明をどうにか避けてきたのです。…これまでは。公聴会は、17日午前9時(米東部時間)からYouTubeでストリーム配信されます。
詳しくは、米国で中毒が蔓延した「オピオイド・クライシス」を経て、サックラー家のマーケティング戦略がどのように海外展開されているかについてまとめた私たちのドキュメンタリー🎥をご覧ください。
Charting Hong Kong’s authoritarian language
香港の権威主義的言語
言葉は、コミュニケーションの基本的な機能を超えて、意図を伝え、考え方の輪郭を示すものです。しかし、「オルタナティブ・ファクト」の時代にあって、言葉は物事を明確にするだけでなく、曖昧にすることもあることを、私たちは痛いほど知っています。言葉は武器にもなるのです。
香港では、2019年に大規模な抗議デモが噴出し、その後、今年になって、中国政府によって課された香港国家安全維持法に基づく厳しい取り締まりが始まると、香港政府はますます中国共産党の権威主義的な言葉を採用するようになりました。 これまでは、150年におよぶ英国の植民地支配から来る、官僚的な統治の産物である時代錯誤のような地味な発言が多かったが、今では、口調はより大胆になり、権力を誇示するために声高に主張し、世間の批判に対する反論は鼻持ちならないものになっています。QuartzのジャーナリストであるDan CopfとMary Huiが、この言葉の変化とその意味を探っています。
SURPRISING DISCOVERIES
世界のトリビア
- パリ市は、管理職に女性を起用しすぎて罰金を科せられた。新しく任命された管理職の割合は、少なくとも40%の男性と40%の女性であることを義務付ける法律に違反していました。
- 中国にある古代の風水林は、ゼロカーボンの未来への鍵となるかもしれない。小さな風水林は、汚染に強い炭素吸収源であり、生物多様性に富んでいます。
- クスクスが、ユネスコの世界無形文化遺産のリストに登録。また、シンガポールのホーカー文化、スイスとフランスの時計製造も認められました。
- “ちらっと微笑む”ことには、全く新しい意味がある。米オハイオ州の動物園は、タスマニアデビルが耳、目、鼻から生物発光を起こすことを発見しました。
- 誰かの顔を試してみたいと思いませんか? 3Dプリントされた超リアルなマスクを手に入れましょう。
【今日の夕方は…】
世界的に初めて注目を浴びる「ジャパニーズ・ウィスキー」にフォーカス。これまで敬遠されがちでしたが、2015年版の『Jim Murray’s Whiskey Bible』でサントリー(Suntory)のシングルモルトが世界最高のウィスキーに選ばれてから、今では誰もが欲しがるものへと変わりました。そんなジャパニーズ・ウィスキーの変遷と魅力に迫ります。
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