Daily Brief
世界で今起きている事
Quartz読者の皆さん、おはようございます。米アマゾンのCEOジェフ・ベゾスの退任発表は世界中で驚きを持って受け止められています。今日も、世界から「今起きていること、次に起きること」をお伝えします(英語版はこちら)。
- ジェフ・ベゾスが退任する。米アマゾンのCEOは、純売上高が初めて1,000億ドル(約10兆4,900億円)を超えた四半期決算を発表したばかりですが、クラウドサービスの責任者、アンディ・ジャシーが指揮を執ることになります。
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Jeff Bezos is stepping down. The Amazon CEO, who just announced the company’s first $100 billion quarter, will hand the reins to cloud services head Andy Jassy. - アマゾンとグーグルは補填しなければならない。アマゾンは米連邦取引委員会(FTC)の調査を受け、未払いとなっていた配送ドライバーへのチップ6,000万ドル(約62億9,800万円)以上を返済することになりました。一方、グーグルは米労働省の指摘を受け、賃金格差のあった女性スタッフや、不当な扱いを受けていたアジア系などの求職者に対し、総額250万ドル(約2億6,200万円)を支払います。
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Amazon and Google have to make good. Amazon was ordered to repay more than $60 million in withheld driver tips, while Google will shell out $2.5 million to underpaid female employees and unfairly overlooked Asian applicants. - ロシア製ワクチンは91%の有効性を示した。「スプートニクV」の後期臨床試験の結果が、医学誌に掲載されました。既存の新型コロナウイルスワクチンと同様に、スプートニクVも風邪のウイルス(アデノウイルス)をベースに、より強力な免疫反応を引き起こす仕組みです。
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Russia’s vaccine posted 91% efficacy in phase 3 trials. Sputnik V uses a modified adenovirus—similar to AstraZeneca’s shot—to trigger a stronger immune response against the virus. - アレクセイ・ナワリヌイが懲役2年以上の実刑を言い渡された。モスクワの裁判所は、詐欺事件をめぐって、反体制派指導者のナワリヌイに2014年に宣告した執行猶予付き判決を取り消し、懲役3年6カ月の実刑判決を言い渡しました。自宅で軟禁されていた期間を差し引くと、実際に身柄拘束されるのは2年8カ月程度になる見通しです。ナワリヌイの身柄拘束をめぐっては大規模な抗議活動が起こっており、彼は判決前に「数十万人を閉じ込めることはできない」と警告しました。
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Aleksei Navalny was sentenced to more than two years in prison. The Putin critic warned that “hundreds of thousands cannot be locked up.” - バイトダンスはテンセントを訴えている。訴訟でバイトダンス(ByteDance、北京字節跳動科技)は、中国版の「TikTok」として知られる同社の「Douyin」(ドウイン、抖音)のコンテンツが、テンセント(Tencent、騰訊)の「WeChat」や「QQ」でブロックされており、これが事実上の独占的な行為にあたると主張しています。
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ByteDance is suing Tencent. Its suit alleges that Douyin content was blocked on WeChat and QQ messaging apps, effectively monopolistic behavior. - 米国はミャンマーでの紛争をクーデターに認定。ミャンマーに対する援助はすでに厳しく制限されていましたが、米国務省は、ミャンマー国軍による権力掌握をクーデターと認定し、同国への対外援助を抜本的に見直すとしています。
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The US labeled Myanmar’s conflict a coup. The distinction will halt aid to the nation, though aid was already severely limited. - インドの労働組合が全国的な抗議行動を呼びかけた。労働関連法をめぐり、職場でのデモやインドの労働法のコピーを燃やすことなども計画されています。インドでは、農業新法に対するデモも続いており、デリーでは衝突に備えて警戒体制が敷かれています。
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India trade unions called for nationwide protests. Plans include demonstrations in workplaces and burning copies of India’s labor codes as Delhi continues to brace for conflict.
👂 今週のDaily Briefでは、機械音声を使った英語の読み上げ音声をテスト配信しています。今後の参考のために、読者の皆さんのご意見を簡単なアンケートでぜひお寄せください。
What to watch for
ウーバーの路線変更
かつて「配車サービス」として知られていた米ウーバー・テクノロジーズ(Uber Technologies)は火曜日(2日)、アルコール配送スタートアップの米ドリズリー(Drizly)を、株式交換と現金によって、約11億ドル(約1,150億円)で買収すると発表しました。ウーバーは、空飛ぶタクシーや自動運転車といったモビリティをベースとしたプロジェクトを次々と断念しており、同社が路線変更しつつあるのは明らかです。そしてマーケットでは、今後も順調に推移するとの予測から、このニュースを受けてウーバーの株価が上昇しました。
ウーバーが運んでいるものは、こちら。
🍕食事:ウーバーイーツ(Uber Eats)がアメリカのデリバリー市場の22%を占めます。
🥕食料品:ウーバーは2020年にフードデリバリーサービスの米ポストメイツ(Postmates)を買収しました。
💊処方薬:ウーバーは2020年に米スタートアップのNimbleRxと提携。
🙋♂️人:パンデミックが始まってから、人の移動はそれほど多くありません。ウーバーとリフト(Lyft)の米配車サービス大手2社は来週決算を発表する予定で、これにより投資家は、配車業界の動向を垣間見ることができます。
Charting ExxonMobil’s earnings
苦境の石油メジャー
エクソンモービル(ExxonMobil)は2日、天然ガス資産で「戦略的ではない」190億ドル(約1兆9,900億円)の減損を計上し、4四半期連続の赤字となる201億ドル(約2兆1,100億円)の損失を計上しました。これによって、パンデミックと気候変動に関する懸念によって、米国と欧州の石油会社は、2020年の最初の3四半期に合わせて1,450億ドル(約15兆2,210億円)の損失を計上していましたが、この数字に、エクソンモービルの損失が加わることになります。
同社はまた、新たに設立された子会社ベンチャー、エクソンモービル・ロー・カーボン・ソリューションズ(ExxonMobil Low Carbon Solutions)を通じて、2025年までに炭素捕捉技術に30億ドル(約3,150億円)を投資するという驚きの約束もしましたが、あまり興奮しすぎてはいけません。エクソンモービルは、依然として気候変動対策をリードする存在ではありません。
Hygiene theater
衛生的な劇場
このパンデミックでライブシアターが生き残れるかは、衣装のデザインにかかっています。数多くの有名俳優を輩出しているニューヨーク大学の演劇学科衣装部門は、前衛的舞台である『ロミオとジュリエット』の上演にあたり、新型コロナウイルスの感染防止に対応し、演出上も重要な役割を果たすフェイスマスクを作りました。このマスクが、ストーリーを伝える道具としても機能しているのです。
キャストは長時間にわたって、高温の照明の下で演じるため、マスクメーカーにとっては非常に極端な使用法とも言えます。標準的なマスクを改良することは、使いやすさを考える上で重要です。 いずれにしても、劇場には、マスクに頼ってきた長い歴史があります。
SURPRISING DISCOVERIES
世界のトリビア
- ドイツでは、チョコレートで作られたバーはチョコレートバーではない。公式ルールでは、砂糖が含まれていなければなりません。
- ポパイへ。 MITのエンジニアは、Eメールを送信することができるホウレンソウを開発しました。
- フェイクの登山ニュースで「出禁」になりますよ。2人の登山家がエベレスト登頂の写真を持っていましたが、つじつまが合いませんでした。
- ハダカデバネズミは女王の言葉を真似る。それぞれの集団で独自の方言があります。
- ハリウッドサインが「Hollyboob」に。犯人は、乳がんに対する意識を高めようとしているだけだと主張したそうです。
【今日の夕方は…】
水曜夕方にお届けするのは「グローバル経済の地政学」。世界で勃興する新興市場を中心に、点だけ追っていてはわからない動きを、国際ビジネスの現場からQuartzのジャーナリストたちがお伝えします。ネットフリックスが四半期ごとに公表している、ダイバーシティについての報告書。今年はそこに、初めてインクルージョンというテーマが加わりました。グローバル企業が人種とジェンダーにどう向き合うのか、その現状を、ネットフリックスのレポートから読み解きます。
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