Daily Brief:アフリカにワクチンが届かない

Daily Brief:アフリカにワクチンが届かない

Daily Brief

世界で今起きている事

Quartz読者の皆さん、おはようございます。ワクチン確保をめぐる大国間の思惑によって、低所得国がしわ寄せを受けています。今日も「世界でいま起きていること」をお届けします(英語版はこちら)。

A pack of AstraZeneca/Oxford vaccines is seen as the country receives its first batch of coronavirus disease (COVID-19) vaccines under COVAX scheme, in Accra
Image: REUTERS/FRANCIS KOKOROKO
  1. 米国と英国がミャンマー国軍の支配下にある企業に制裁。米国の制裁対象となったのは、国軍系の複合企業2社で、米国内の資産が凍結され、米国企業などとの取引が禁止されます。ミャンマー経済は多くの面で、国軍によって管理されています。
    The US and UK sanctioned companies controlled by Myanmar’s military. The junta runs many aspects of the country’s economy.
  2. COVAXのワクチン分配の遅れで、アフリカでは 「なすすべがない」 。アフリカ疾病対策センターの所長は、韓国から提供されるワクチンの量が予想より少ないことや、EUとインドが「ワクチンナショナリズム」で輸出量を制限していることなどに言及。国際的枠組み「コバックス」(COVAX)によるワクチン分配が影響を受け、アフリカの生命と経済に犠牲を強いていると警告しました。
    Covax vaccine delivery delays leave Africa “helpless.” The head of the continent’s disease control agency warned of the cost to African lives and economies as South Korean production issues and EU and India vaccine nationalism have impacted global distribution efforts.
  3. インドは史上最大の炭鉱オークションを開始した。同国は化石燃料への依存による気候変動問題に取り組んでいるにもかかわらず、67カ所もの炭鉱が競売対象となっています
    India launched its largest ever auction of coal mines. Sixty-seven sites are up for grabs, even as the country grapples with the environmental impact of its dependence on fossil fuel.
  4. ZARAはウェブサイトから新疆ウイグル自治区に関する声明を削除した。国外の小売業者が中国の人権侵害に関するコメントをめぐって、同国で非難を浴びるなか、ZARA(ザラ)などのブランドを展開するアパレル大手、インディテックス(Inditex)のウェブサイトから、強制労働に反対する宣言が削除されました。
    Zara deleted a statement about Xinjiang from its website. As foreign retailers come under fire in China for their comments on its human rights abuses, Inditex’s website has been scrubbed of a declaration against forced labor.
  5. ファイザーも12歳未満の子どもを対象としたワクチンの臨床試験を開始。米ファイザー(Pfizer)は、2021年末までに結果が出ることを期待しています。
    Pfizer began vaccine trials for children under 12. The company expects to have results by the end of 2021.
  6. 中国がデジタル通貨の基本ルールを提示。デジタル人民元で先行する中国ですが、今度は国際的な枠組みを作ろうとしています。
    Beijing laid out some ground rules for digital currencies. China has already got a head start with its digital yuan, and now it wants to shape the international frameworks.

What to watch for

インド農家デモが過熱

Women farmers attend a protest against farm laws on the occasion of International Women's Day at Bahadurgar near Haryana-Delhi border, India, March 8, 2021.
Women farmers attend a protest on March 8, 2021.
Image: Reuters/Danish Siddiqui

インドは全国的なストライキに向けて準備を整えています。首都の国境で4カ月にわたって農業者による抗議活動が行われてきましたが、デモを主導している農業組合連合のサミュクタ・キサン・モルチャ(Samyukta Kisan Morcha)は、本日26日の午前6時から午後6時までの間、インド全土で道路や鉄道、市場などの公共の場を閉鎖するよう呼びかけています

昨年9月に成立した新法によって導入された農業改革に対して、数千人の農業者が昨年11月から抗議活動を行っています。また彼らは、ナレンドラ・モディ首相に近いとされる2人の実業家―インド大手財閥、リライアンス・インダストリーズ(Reliance Industrie)会長のムケシュ・アンバニとインド新興財閥、アダニ・グループ(Adani Group)会長のゴータム・アダニ―に対しても抗議しており、この農業改革によって自分たちが弱い立場に追いやられ、彼らのような大企業の言いなりになるのではないかと懸念しています


Charting the vaccine hesitancy

ワクチンの信頼性

欧州のワクチンプログラムは、「供給の少なさ」、「現場での非効率な供給体制」、そして「ワクチン接種をためらう人々」という3つの問題に悩まされています。最近の世論調査では、ここ数週間で、特にアストラゼネカ製のワクチンに対する信頼が西ヨーロッパで落ち込んでいることが判明しました。

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EU圏が第3波の真っ只中にあり、新型コロナウイルスの感染者が増加していることを考えると、これは特に厄介な問題です。Quartz記者のアナベル・ティムシット(Annabelle Timsit)が、アストラゼネカのワクチンが安全であることを欧州に納得させるために何をすべきかについて解説しています。詳細はこちらの記事(英語)で。


SURPRISING DISCOVERIES

世界のトリビア

  1. ある労働者が最後の給料を9万枚のコインで受け取った。たった915ドル(約9万9,000円)でしたが、かなりかさばりました
  2. タコは人間と同じように夢を見るのかもしれない。もっとも、それはレム睡眠のような「活発な睡眠」状態下での1分ほどの出来事です。
  3. 「永遠の夜」の実現に一歩近づく? 世界で二酸化炭素排出量の削減が満足にできなかった場合に備え、米国では、気候変動対策として太陽光を遮断する方法の研究が進められています。
  4. パンデミックはパパラッチにとっても災難。あるエージェンシーは、破産申請に至った理由として、セレブたちの外出自粛や英国のメーガン妃との長期にわたる法廷闘争で費用がかさんだことを挙げています。
  5. ウサギが9,000年前の石器時代の道具を掘り起こした。この驚くべきニュースは、これまでで最もキュートな考古学的発見と言えるでしょう

【今日の夕方は…】

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Image: REUTERS/CHINA DAILY

毎週金曜日夕方は、現代の「クール(カッコよさ)」を追うNew Cool。今、そしてこれから世界で起きるビジネス変革の背景にあるカルチャーを深掘りします。中国では今、若い投資家たちがファンドマネージャーの「ファン化」する現象が起こっています。このファンカルチャーが市場にもたらす影響とはどのようなものなのでしょうか?


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