Daily Brief:長年の喧嘩がついに決着

REUTERS/Pascal Rossignol

Daily Brief

世界で今起きている事

Quartz読者の皆さん、おはようございます。欧州ではサッカーのヨーロッパ選手権が盛り上がりを見せています。本日も世界のニュースをどうぞ。

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  1. エアバスとボーイングの紛争がついに決着した。エアバス(Airbus)とボーイング(Boeing)への補助金をめぐる17年間の確執の末、米国とEUは報復関税を5年間停止し、代わりに中国に焦点を当てることで合意しました。
    The Airbus-Boeing dispute was finally settled. After a 17-year feud over airplane manufacturing subsidies, the US and Europe agreed to suspend tariffs for five years and focus on China instead.
  2. オリンピック選手がCOVIDルールに違反した場合、出入り禁止になる可能性がある。主催者側は、この対応によって、オリンピック期間中の感染拡大を懸念する日本国民の不満が鎮まることを期待しています。
    Olympic athletes could be banned for violating Covid rules. Organizers hope the move placates Japanese residents unhappy about the possible spread of the virus during the Games.
  3. イケアは、フランスで従業員を監視していたとして110万ユーロ(約1億4,000万円)の罰金を科された。また、「トラブルメーカー」を違法に監視していたとして、スウェーデンの家具大手イケア(Ikea)のフランス法人元幹部2人が有罪判決と罰金を科されました。
    Ikea was fined €1.1 million ($1.3 million) for spying on workers in France. Two executives were also suspended and fined for illegally surveilling perceived troublemakers.
  4. 米国でCOVID-19の死亡者数が60万人に。平均死亡者数は下がり続けていますが、ワクチン接種率も下がっています。一方、新たな分析によると、COVID-19は、米国で最初の症例が公式に確認される数週間前の2019年12月には、米国に到達していたとみられます。
    The US reached 600,000 Covid-19 deaths. The average number of fatalities continues to drop, but so does the vaccination rate. Meanwhile, a new analysis suggests Covid-19 reached the US in December 2019, weeks before the first cases were officially recorded.
  5. 英国とオーストラリアが貿易協定に合意した。これは英国にとって、ブレグジット後で初となる自由貿易協定(FTA)合意ですが、米国やインドといった大国とはまだ交渉中です。
    The UK and Australia agreed to a trade deal. It’s the latest post-Brexit agreement, but the big ones—such as the US and India—still remain to be negotiated.
  6. マッケンジー・スコットは、さらに27億ドル(約2,970億円)を寄付した。ジェフ・ベゾスの元妻は、このお金は「歴史的に資金が乏しく、見過ごされてきた」286の団体に寄付されたと述べています。
    MacKenzie Scott donated another $2.7 billion. Jeff Bezos’s ex-wife said the money went to 286 “historically underfunded and overlooked” organizations.

What to watch for

期待値の低い首脳会談

Russian Prime Minister Vladimir Putin (R) shakes hands with U.S. Vice President Joe Biden during their meeting in Moscow March 10, 2011.
It’s unlikely to be a happy reunion.
Image: Reuters/Alexander Natruskin

本日16日、米大統領のジョー・バイデンとロシア大統領のウラジーミル・プーチンがスイスのジュネーブで会談します。ホワイトハウスの発表によれば、「米国とロシアの関係に予測可能性と安定性を取り戻すこと」が目的となります。

しかし、それは難しいオーダーです。ロシアは2014年にクリミアを併合し、2016年2020年の米大統領選挙にも干渉しました。一方、3月にはバイデンがプーチンを「殺人者」と呼び(ロシア政府が政敵を暗殺したとされる数々の事件のどれかを指していた可能性もあります)、これを受けてクレムリンは駐米大使を召還しました。米国の駐ロシア大使は4月にモスクワを離れ、米国はロシアへの制裁を拡大しています。

気候変動や北極圏の安全保障など、ロシアと米国が手を取り合えば、メリットを生み出せる分野はあります。しかし、今回の首脳会談に期待している人は少ないでしょう。

今回のポイントはここにもあります。両首脳は、通常こうした会談の最後に行われる、共同記者会見を行いません(2016年、ヘルシンキでの会談後にプーチンがドナルド・トランプと共同記者会見を行いましたが、元米大統領にとってはPR上の大失敗でした)。

今回は、バイデンが単独で記者会見を行います。ある米政府関係者によると、「会談でのトピックを、報道機関にわかりやすく伝えるための適切な形式」だそうです。


Mapping US wind energy potential

風力発電のポテンシャル

米国の各州が再生可能エネルギーの生産促進に、長年にわたって取り組んできた結果、東海岸では、大西洋に設置され風力タービンの承認申請が殺到することになりました。将来的には、メキシコ湾、五大湖、西海岸でも風力発電が行われる可能性があります。

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Climate Centralの分析によると、もし2050年までに温室効果ガスの排出量を「ネットゼロ」にするというジョー・バイデンの目標が達成された場合、テキサス州、ミズーリ州、アイオワ州、イリノイ州にある風力発電所は、それぞれ2050年までに、現在米国で稼働している合計118ギガワットの風力発電容量よりも多くの量を生産することができるキャパシティを持ちうるとしています。


SURPRISING DISCOVERIES

世界のトリビア

  1. 殺害された学生に死後の博士号が授与された。シカゴ大学の教授陣は、Dropboxに残されたファイルを使って、1月の銃乱射事件で殺害されたYiran Fanの論文を完成させました。
  2. ロンドンの銀行の屋上に珍しいランが生えている。小さな花をつけるランは、英国では絶滅したと考えられていました
  3. ステロイド検査で陽性反応が出たランナーが、ブリトーのせいだと主張。米国のメダル候補であるシェルビー・​フーリハンは、彼女が食べた豚肉から微量の禁止薬物が検出されたとしています。
  4. 銀河帝国も可能です。宇宙物理学者によるコンピュータシミュレーションでは、異星人の文明が星々の間でどのように拡大していくかを示しています
  5. あるミームが400万ドル(約4億4,000万円)で落札された。ドージコインに使われた柴犬の写真が、オークションでNFTの記録を更新しました。
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