Africa:#4 観光大陸アフリカの可能性

Africa:#4 観光大陸アフリカの可能性

Quartz Japan読者のみなさん、こんばんは。「Weekly Africa」も4号目です。7月いっぱいの予定で火曜の夜にお届けしてきた「アフリカのいま」を知るためのニュースレターは、いかがでしたか? 今後も続けていくか、ぜひアンケートにお答えいただき、感想をお寄せください。

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Image: REUTERS/ROGAN WARD

Weekly Africa Insight

評判の回復やいかに

コロナウイルスのパンデミックが500億ドル規模のアフリカ観光産業に与えた影響はあまりに甚大です。国連によると、外国人観光客の減少によって2021年の各国のGDPは平均6%以上の打撃を受ける可能性があるとされています。

例えば先月、南アフリカでは、COVID-19の変異株のひとつが国名由来の「南アフリカ型」とも呼ばれていることから、評判を回復するためのマーケティングキャンペーンがスタート。6月24日には、エジプトで入国制限が一部解禁されています(ワクチン接種が証明できれば検査が不要。ただしQRコードでの証明が必要)。

問題はアフリカだけに限りません。バハマやベリーズ、グルジアやタイなど、観光業に力を入れている国の中には、予防接種の証明書をもってさえいれば、出発前の検査や到着後の検疫を免除するところが増えています(ただし、ワクチンによっては異なるルールが適用される場合もあり、例えばイスラエルでは、中国やロシアのワクチンを接種した人にはまだ検査が必要です)。

エジプトや南アフリカを含むいくつかの国は、英国の「レッドリスト」に残っており、帰国時に検疫が必要な国のまま。今後数カ月の間、アフリカ諸国が第3波から脱却すること、そしてワクチン展開のスピードが増すことを期待せずにはいられません。


STORIES THIS WEEK

アフリカ1週間

  1. 南アフリカでワクチン製造のためのパートナーシップ、始まる。米ファイザーと独バイオンテックが、南アフリカの製薬会社バイオバックとの合意を発表。バイオバックの施設でのCOVID-19ワクチンの製造が始まるのは2022年の予定です。ただし、活動家たちからは、南ア国内の製造業者に知見が共有されていないとの批判の声が上がっています
  2. 海外で力を発揮するアフリカ系移民。米国のアフリカ系移民は、人口、教育レベル、そして母国への(特に送金というかたちでの)貢献など、強力な力をもつ規模にまで成長しています。アフリカ系移民が米国の国家政策や外交政策に影響を与える未来は来るのでしょうか。
  3. コロナがアフリカの「コラボレーション」を推進する。アフリカ大陸では、デジタル化やイノベーションだけでなく、「地域的なコラボレーション」の傾向が強まっています。シンクタンクのAfrican Center for Economic Transformationの新しいレポートでは、アフリカ大陸の変革には、各国がより大きな経済統合を追求する必要性が指摘されています。
  4. 東アフリカにおけるデジタルインクルージョン。アフリカと西欧諸国の間にはさまざまなデジタル・ディバイド(情報格差)が存在しています。アフリカには多様な言語があるにもかかわらず、デジタル空間において使用が限定的であることも影響しているようです。ケニアのテック政策専門家とデータサイエンティストは、スワヒリ語を使ってデジタル上の権利を訴えています

DEALMAKER

スタートアップ動向

  • ナイジェリアのフィンテックスタートアップ・Chakaが、アフリカ大陸全域での事業拡大のために150万ドルのプレシード資金を調達。今回の資金調達は、Breyer Capitalがリードし、4DX VenturesGolden Palm InvestmentsFuture AfricaSeedstarsMusha Venturesが参加しました。
  • 南アフリカのワーカー向けウェルネスプラットフォーム・Stroveが、英国での事業展開のために27万7,000ドルのシード資金を調達Launch Africaがリードし、複数のエンジェル投資家が参加しました。Stroveは、企業がワーカーに対し、健康で活動的な生活を促すためのモバイルアプリケーションです。
  • エジプトを拠点とするエデュテインメントのスタートアップ・Jeelが、シード資金として120万ドルを調達。クウェートとヨルダンのエンジェル投資家によるもので、「JeelApp」(子ども向けモバイルアプリケーション)のグロースや機能追加、チームの拡大などを加速させることを目的としています。

OTHER THINGS WE LIKED

その他、気になったこと

  1. リビアの闘いの対価。リビア国内の10年にわたる紛争は、市民のみならず自然にも影響を与えています。『DW』のHendia Alashepyは、この国の最も肥沃で緑豊かな土地であるアル・ジャバル・アル・アフダルでの戦争とそれによる被害、波及効果をレポートしています
  2. 不確かな、ワールドカップの栄光。サッカーW杯大会におけるアフリカ諸国の代表チームは、ジュニアでは比較的良い成績を収めているものの、最も重要な舞台では低迷しています。『New Frame』のNjie Enowはこの異常さをまとめています
  3. 傷ついた南アフリカ。いま南アフリカが直面している混乱は、ズマ元大統領に直接的な原因があるでしょう。しかしその根っこには、植民地主義やアパルトヘイト、経済的不平等、明らかな新植民地主義的な政府システムが解決されることなく起きたといえるようです。Mohammed Jameel Abdullahが『Africa is a Country』で記しています
  4. 若いアフリカ人の声を届ける。アフリカでは、若者が運営する新しい文芸誌が登場しています。Abdi Latif Dahirが『The New York Times』に書いているように、これらの出版物はアフリカ大陸の声を称揚するのに役立っています。
  5. ケニアが世界有数の地熱発電所に。ケニアはかつて、その電力のほとんどを水力ダムと石油由来の火力発電所から得ていました。しかし、1980年代に大陸初の地熱発電所を建造。『Bloomberg』によると、ケニアはいま、このゼロカーボンエネルギーのノウハウを輸出しようとしています。

🎵 今週の「Weekly Africa」は、Dj Tarico ft. Preck & Nelson Tivaneの「Yaba Buluku」を聴きながらお届けしました。


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