今月12日まで開催されている気候サミット「COP26」では、英スコットランド・グラスゴーに120カ国の首脳が集まり、地球温暖化を食い止めるための方法を模索しています。
いま、世界各国や企業が「化石燃料を使わない経済」への移行に向けてアクセルを踏もうとしていますが、COP26はまさにその、地球にとって極めて重要な時期に開催されることになりました。
What will be discussed at COP26?
何が話し合われるの?
COP26は、正式には「国連気候変動枠組条約第26回締約国会議」。2100年までに地球温暖化を産業革命以前の水準から1.5℃以内に抑えるという目標を達成するために、各国のリーダー・代表団が集まり、さまざまな問題を議論する場として開催されています。
今年は、2015年にパリ協定に署名した195カ国のほとんどの国からの代表団が出席し、世界的な炭素市場のルールを議論し、気候変動対策のための資金調達を検討し、新たな排出目標を発表します。また、先進国が途上国の排出量削減を支援するための費用を負担するかどうかについても議論されることになります。
Who will attend COP26?
誰が参加するの?
COP26は、2015年のパリ協定以来、最大となる気候変動サミットです。1日に始まった首脳会合には約120人の国家元首が出席しています。中国の習近平国家主席、ロシアのプーチン大統領、ブラジルのジャイル・ボルソナロ大統領などは不参加で、COVID-19による制限を受け、複数の首脳はテレカンでの参加となっています。
What are the goals of the COP26?
ゴールは何?
今回のサミットの大きな目標は、化石燃料、特に石炭の廃止を加速させることにあります。しかし、エネルギー危機が続く中国などでは、石炭への依存度が高い状態が続いています。また、発展途上国が化石燃料を使わないですむ経済に移行するための資金を調達することも重要な目標です。また、各国は炭素価格の設定・取引に関する世界的なルールを確立しようとしています。
🏃♂️ 交渉から行動へ。1995年にベルリンで開催された第1回の「COP1」以降、ほとんどのCOPは交渉が中心でした。しかし、今回求められるのは、行動です。各国は枠組みにほぼ合意しており、あとは「産業革命前と比べて気温の上昇を2℃以下に抑える」という約束を果たすことが求められます。
🛒 炭素市場メカニズム。政府や民間企業が排出目標を達成するための炭素クレジット(温室効果ガスの削減・除去)の発行・取引に関するルール策定が議論されています。
💰 「損失と被害」への資金提供。パリ協定では、気候変動による影響に対して脆弱な国が直面する「損失と損害」(loss and damage)についての支払いの取り決めがされましたが、具体的にどのように資金を提供するかについてはコンセンサスが得られていないままです。これは、後発開発途上国にとって重要なポイントです。
📊 1,000億ドル。2009年の「COP15」では、先進国が2020年までに年間1,000億ドル(約11兆4,000億円)の資金を支援することが合意されていました。これは途上国における脱炭素化の取り組みに充てられる資金となるはずでしたが、目標額の達成は困難とする見方が有力です。COP26では、2025年までの気候変動対策資金の目標が新たに設定される可能性が高いです。
🌲 自然を利用した解決策。自然(森林、農業、生態系)を、炭素吸収や気候変動の影響から守るための気候変動対策としてどのように活用できるかについて、交渉が行われます。
Why does COP26 matter?
どうして重要なの?
異常気象は増加の一途をたどっています。早急に対策を講じなければ、気候変動は壊滅的な温暖化につながると予想されています。そのため、今世紀半ばまでに排出量をゼロにするという目標が急務となっています。
しかし、エネルギー需要を満たそうと化石燃料に依存していることが、その歩みを遅らせています。現時点においてパリ協定で定められた「1.5ºC」の目標に沿って脱炭素化に必要な措置を講じているのは、アフリカの小国ガンビアだけなのです。
米国のジョー・バイデン大統領は、国内政治のために気候変動問題の取り組みを縮小せざるを得ませんでした。いくつかの途上国は、地球が壊滅的な温暖化に直面しているのは先進国が工業化を進めた結果であり、自国に対していますぐにそのような行為をやめるよう求めることは不公平で、経済的な進歩を止めてしまうことだと主張しているのです。
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