Daily Brief
世界で今起きている事
おはようございます。今週も「世界で今起きている事」をお伝えします。激しい攻撃に晒されているウクライナ。国連は27日までに、約36万8,000人が国境を越えて隣国に入国したと明らかにしています。
- ロシアとウクライナは会談することで合意した。両国の停戦協議はウクライナとベラルーシとの国境付近で、「前提条件なし」で行われます。ただ、緊張関係は依然として収まっていません。ロシアは核戦力を念頭に、軍の核抑止力部隊に任務遂行のための高い警戒態勢に移行するよう命じ、北大西洋条約機構(NATO)はこの動きを非難しています。
Russia and Ukraine agreed to talk. The negotiations will happen near the Belarusian border and are without preconditions. But tensions are far from subsided—Russia put its nuclear forces on high alert, a move condemned by NATO. - EU加盟国の内相らは日曜日(27日)、ウクライナ難民への支援策をめぐって会合を開いた。EUの政策執行機関である欧州委員会の内務担当委員、イルヴァ・ヨハンソン(Ylva Johansson)は、これまで使われたことのない法律を発動させるための措置が「大きな支持」を得たと述べ、3月3日にEUに正式に提案する予定であることを明らかにしました。 また、EUはロシアの航空機に対して領空を閉鎖しています。
EU interior ministers met Sunday to decide how to help Ukrainian refugees. EU interior commissioner Ylva Johansson said one measure, which would trigger a never-before-used law, received “great support” and plans to formally propose it to the bloc on March 3.The bloc is also shutting its airspace to Russian planes. - BPはロスネフチの株式20%を売却した。英国のエネルギー大手、BPの元役員とCEOは、ロシア石油大手、ロスネフチ(Rosneft)の取締役を即時辞任しました。BPは、ロシアによるウクライナ侵攻で「根本的に状況が変わった」としています。
BP offloaded 20% of its stake in Rosneft. A former executive and the CEO of the British energy giant also left the Russian oil company’s board. - ロシアの侵攻は、世界的な抗議行動を引き起こした。ウクライナの支持者たちが、ヨーロッパ、オーストラリア、日本、イラン、米国でデモを行いました。一方、ポーランドと英国はサッカーでロシアと対戦することを拒否しています。
Russia’s invasion sparked global protests. Supporters of Ukraine demonstrated in Europe, Australia, Japan, Iran, and the US. Meanwhile, Poland and the UK are refusing to play Russia in soccer matches. - 2つの研究で、中国・武漢市の海鮮市場がCOVID-19の発生源だと「特定」された。これらの研究はまだ専門家による査読を受けていませんが、新型コロナウイルスが市内の研究室から流出したことを示す証拠は見つかりませんでした。
Two studies identified a Wuhan seafood market as the origin of covid-19. The studies, which are not yet peer reviewed, found no evidence that the coronavirus escaped from a lab. - インドが今日(28日)、GDPを発表する。エコノミストは、2021年10〜12月のインドの経済成長率を6.6%と予測しています。
India reports its GDP today. Economists predict the country’s economy grew by 6.6% in the quarter that ended in December.
What to watch for
ルーブル暴落?
米国、EU、およびその同盟国は26日、ロシアの一部民間銀行を国際銀行間の送金・決済システム「SWIFT」(国際銀行間通信協会)から排除することで合意しました。同国中央銀行の資産を凍結することで、ロシアの軍事的効力を阻害する狙いです。
この制裁は象徴的な意味合いが強いものの、ロシアの銀行による取引が妨げられることに加え、通貨の暴落を促し、海外準備資金(約3,000億ドル)へのアクセスも制限されることになります。ロシアが友好国を経由して支払いを行うことも制限されます。
その影響は甚大なものとなるでしょう。中央銀行に対する制裁は、ロシアの銀行システムを破綻させ、ルーブルが無価値になる可能性もあります。ある試算によれば、SWIFTの禁止だけでロシアのGDPの5%が失われる可能性があるとも指摘されています。
とはいえ、ロシアは完全に「遮断」されたわけではありません──ロシアがウクライナへの本格的な侵攻を開始した翌日の2月25日、ヨーロッパ諸国と米国は、それまで彼らが毎日していたのと同じように、ロシアに対して、天然ガスと引き換えに約7億ドル(約800億円)を支払っています。また、プーチン大統領が個人的に侵攻の代償を払うことはないでしょうが、米国や英国、EU政府はプーチン大統領の「側近」であるロマン・アブラモビッチら、裕福なオリガルヒ(新興財閥)に対して制裁を科す可能性もあります。
Mapping internet infrastructure
ネットは無事
ウクライナでインターネットが遮断されるようなことは起きうるのでしょうか? キューバやイランでは、抗議デモをきっかけにそうした事態が起きています。
いまのところ、ウクライナでのウェブトラフィックは減少しているものの(その理由としては、ウクライナ国民が国外へ脱出していることも少なからず影響しているでしょう)、ウクライナで同様の事態に陥る可能性は低いでしょう。
というのも、ウクライナ国内のウェブ環境を支える物理的なインフラは広大で、多くの独立系インターネット・サービス・プロバイダーによって所有されており、かつ国外との接続も複数存在しています。つまり、圧政を行う政府がインターネットアクセスを一度に遮断できるような単一のチョークポイントは存在しないのです。
上記の地図上の「M」は、光ファイバーケーブルがウクライナの国境を越え、外の世界とつながっている場所を示しています。
SURPRISING DISCOVERIES
世界のトリビア
- 米国のバーには、ロシア産ウォッカを扱うのをやめた店もある。しかし、彼らは喜んでウクライナ産のウォッカで酔わせてくれるはずです。
- 米国では新型コロナ検査キットがたくさん余っている。バイデン政権は簡易検査キットの無償配布を進めていますが、約2億5,000万回分については、まだ申し込みがありません。これは、需要の乱高下に対するブルウィップ効果(供給網の需要変動が、消費者から遠い「上流」ほど増大し、大規模な受注につながる現象)によるものです。
- ハンク・ザ・タンクはハメられた。「ハンク・ザ・タンク(Hank the Tank)」の異名をもつ体重500ポンド(227キロ)のクマには、米カリフォルニア州で30件以上の家屋侵入の容疑がかけられていましたが、DNA型鑑定の結果、ハンクがすべての事件を起こしたわけではないことが明らかになりました。
- 洋上風力発電のオークションが、米国で過去最高を記録した。ニューヨーク州とニュージャージー州の沖合に風力発電所を建設するための水域のリース権が、44億ドル(約5,000億円)で落札されました。
- 総資産の10%を結婚式に使えますか? インドではこれが平均的ですが、ほとんどの人にとって手の届く金額ではありません。Quartz Obsessionポッドキャストの最新エピソード(英語)では、大規模なパーティーの費用がどのように支払われているのかをご紹介しています。
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