Daily Brief
世界で今起きている事
おはようございます。閣僚が辞任し各地で抗議デモ、物価が高騰し停電も頻発……観光業が打撃を受け外貨不足が深刻化したスリランカでは、非常事態宣言も発令されています。今朝も「世界で今起きている事」をお伝えします。
- スリランカの政治的混乱が深まった。経済危機と抗議活動が広がるなか、スリランカ政府は秩序を維持するため、すべてのソーシャルメディアを禁止するなど、あらゆる手段を講じています。
Sri Lanka’s political chaos deepened. Amid an economic crisis and widespread protests, the government has tried everything, including banning all social media, to maintain order. - 米国はロシアの国債支払いをブロックした。ロシアは、米国の金融機関に預けてある米ドルを国債の償還や利払いに使うことができなくなり、デフォルト(債務不履行)に陥る危険性が高まっています。
The US blocked Russian sovereign debt payments. Russia can no longer use dollars stashed in US banks to make bond payments, raising the risk it will default on its debt. - GMとホンダは、手頃な価格の電気自動車をつくるために提携。自動車メーカーの米ゼネラル・モーターズ(GM)とホンダは、2027年までに数百万台の電気自動車(EV)を共同開発し、3万ドル(約370万円)以下で販売するとしています。
GM and Honda teamed up to make affordable electric cars. The automakers say they will jointly produce millions of electric cars that sell for less than $30,000 by 2027. - ポーランドがEUの法人税の国際的な最低税率案に拒否権を発動した。昨年、137カ国が大企業に15%の最低税率を課すことで合意しましたが、米国とEUでは導入が遅れています。
Poland vetoed the EU’s plans for a global minimum tax. Last year, 137 countries agreed to impose a 15% minimum tax on big corporations—but the implementation is stalled in the US and EU. - アマゾンは、インターネット衛星の新プロジェクトに数十億ドルを投じる計画。米宇宙開発ベンチャー、スペースXに対抗する衛星インターネットサービスを構築するため、アマゾンは83回におよぶロケット打ち上げを計画しています。
Amazon plans to spend billions on a new fleet of internet satellites. The company has planned 83 rocket launches to build a satellite internet service to rival SpaceX. - シーインの評価額が1,000億ドル(約12兆円)に膨れ上がった。話題の中国発のファストファッションブランド、シーイン(Shein)は、資金調達ラウンドで10億ドル(約1,200億円)以上を調達し、その評価額はH&Mとザラ(Zara)の合計を上回りました。
Shein’s valuation ballooned to $100 billion. The buzzy Chinese fast-fashion retailer raised more than $1 billion in a funding round that valued the company more than H&M and Zara combined. - イーロン・マスクがツイッターの取締役に就任することが決まった。ツイッターの取締役会に参加することで、マスクは同社の株式をさらに大きく買い増さないことに同意しました。マスクの最初の仕事は、編集ボタンの導入について意見を募ることです。
Elon Musk will join Twitter’s board. By joining the board, Musk agreed not to buy an even bigger stake in the company. His first order of business: pushing for an edit button.
What to watch for
ビッグネーム、大集合
ビットコイン、マイアミにようこそ! マイアミではビットコインの一大カンファレンス「Bitcoin 2022」が本日6日から9日までの期間、開催されます。
登壇者にはマイクロストラテジー(Microstrategy)のCEOのであるマイケル・セイラー(Michael Saylor)から、投資家のキャシー・ウッド(Cathie Wood)、億万長者のピーター・ティール(Peter Thiel)、米国上院議員のシンシア・ルミス(Cynthia Lummis、米議員として初めて暗号通貨を所有した人物)、ビットコインに夢中なエルサルバドル大統領ナジブ・ブケレ(Nayibe Bukele)まで、ビッグネームが勢揃いしています。
4日間にわたって開催されるこのイベントは、それ自体が大々的な発表が行われる場であると同時に、オンラインでつながっていることの多い観衆にとって、自らの興奮を表明する機会を提供してもいるようです。『New York Times』は、同じくマイアミで開催された昨年のカンファレンスについて、パンデミックによる1年間の隔離生活を経て「Twitterが息を吹き返したかのようだ」と評しています。
Charting the Great Resignation
大退職時代の誤解?
パンデミックを経て、多くの労働者が自ら離職を選ぶ「大量離職時代」(Great Resignation)が起きているとされています。しかし、サンフランシスコ連邦準備銀行の調査によると、この状況はさほど特別なことでもないようです。というのも、不況にあった経済が急速に回復すれば、労働者が過去2年間とほぼ同じ割合で辞めていくのはよくあること。求人が増えれば、労働者がよりよい機会を求めて職場を変えるのは当然だ、というのです。
調査は、この1〜2年がとりわけ際立ったものとして感じられる理由として、近年、不況からの回復が異常に遅かったことを挙げています。米国では、過去2度の不況──2000年のテックバブル崩壊および2007年の金融危機──から雇用が回復するのに、何年もかかりました。それに比べてパンデミックからの雇用回復は非常に早く、経済に大きな混乱と変化が起きたという錯覚を生んでいるとしています。
SURPRISING DISCOVERIES
世界のトリビア
- ニューヨーク市のビルの取引が公開された。投資家は、1万8,759平方フィートの小売・オフィス物件の株式を購入することができます。
- 行方不明になっていたチャールズ・ダーウィンのノートがケンブリッジ大学に返還された。不思議なことに、そのノートは22年ぶりに鮮やかなピンクのギフトバッグに入った状態で見つかりました。
- 科学者たちは、ガス惑星形成の最も初期段階と思われるものを記録した。その初期段階でも、巨大な「AB Aurigae b」は木星の9倍もの質量があります。
- 果物に使用される殺菌剤は、別の問題を生むかもしれない。インドの研究者たちは、化学薬品が、死につながることもある薬剤耐性スーパーイーストを育ててしまうことを発見しました。
- NASAの大型月ロケットのテスト打ち上げがまたもや延期に。落雷、ファンの動作不良、バルブの問題などでリハーサルが滞っています。
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