Daily Brief:バイデン発言は狙い通り?

Making waves from Japan.

Daily Brief

世界で今起きている事

おはようございます。今朝も「世界で今起きている事」をお伝えします。来日中のバイデン米大統領は、本日24日まで日本滞在の予定です。

U.S. President Joe Biden attends the Indo-Pacific Economic Framework for Prosperity (IPEF) launch event virtually, at Izumi Garden Gallery in Tokyo, Japan, May 23, 2022.
Making waves from Japan.
Image: Reuters/Jonathan Ernst
  1. ジョー・バイデンは、自分の身近な国々と中国に対抗したいと考えている。バイデン米大統領は、アジアや南太平洋の計13カ国が創設メンバーとなる新たな経済圏構想「インド太平洋経済枠組み」(IPEF)を発表し、この地域における中国の経済的影響力に挑戦することを明らかにしました。この発表があったのは、バイデンが、中国が台湾に侵攻した場合の米国の軍事介入について言及し、台湾への関与を強めたように見えた直後のことです。
    Joe Biden wants to counter China in its own backyard. The president announced the Indo-Pacific Economic Framework for Prosperity, a new economic agreement with a dozen Asian and South Pacific countries, to challenge China’s economic clout in the region. This announcement comes just after Biden appeared to toughen his stance on Taiwan.
  2. 欧州はおそらく金利を引き上げる。欧州中央銀行(ECB)のクリスティーヌ・ラガルド総裁は、7月に利上げを開始し、9月までには8年間続いたマイナス金利に終止符を打つ可能性が高いと述べました。
    Europe will probably increase interest rates. European Central Bank president Christine Lagarde said the bank is likely to make the change by September, ending eight years of negative rates.
  3. ロシア兵が戦争犯罪で終身刑を言い渡された。21歳の戦車長、ワジム・シシマリン(Vadim Shishimarin)は、ウクライナ北東部のチュパキフカ村でウクライナの民間人を射殺しました。さらに、ロシアの国連代表部に勤務していた外交官が、ウラジーミル・プーチン大統領によるウクライナでの戦争を「恥じる」として、辞職しました
    A Russian soldier was sentenced to life in prison for war crimes. Vadim Shishimarin, a 21-year-old tank sargeant, shot and killed a Ukrainian civilian in the village of Chupakhivka. Additionally, a Russian diplomat to the United Nations resigned because he is “ashamed” of Vladimir Putin’s war in Ukraine.
  4. ブロードコムの企業買収が止まらない。シンガポールを拠点とする半導体メーカー、ブロードコム(Broadcom、登記上の本社は米国)は、ソフトウエア会社のVMウェア(VMware)を500億ドル(約6.3兆円)で買収すると報じられています。これが成功すれば、米規制当局の監視下にありながら、ブロードコムは4年間で数十億ドル規模の企業を3社も買収することになります。
    Broadcom cannot stop buying companies. The Singapore-based chipmaker is reportedly buying the software firm VMware for $50 billion, and has bought three multibillion-dollar companies in four years even under the watchful eye of US regulators.
  5. ディディが株式市場に見切りをつけた。2021年に悲惨なデビューを果たした中国のライドシェアリング大手、ディディ(Didi、滴滴出行)は、ニューヨーク証券取引所からの上場廃止手続きの開始を決定し、身を引くことになりました。ディディは昨年6月のIPO以来、中国の規制当局からの継続的な圧力にさらされてきました。
    Didi is giving up on the stock market. After a disastrous debut in 2021, the Chinese ride-hailing giant is bowing out of the New York Stock Exchange. The company has faced continuous pressure from Chinese regulators since its IPO less than a year ago.
  6. クラーナは従業員の10%をレイオフした。後払いサービス「BNPL」(バイ・ナウ・ペイ・レイター)を提供するスウェーデンのクラーナ(Klarna)は、市場の低迷と高いインフレの中で、大規模な人員削減を行ったハイテク企業の最新例です。
    Klarna laid off 10% of its staff. The Swedish buy now, pay later firm is the latest tech firm to make big cuts amid a market downturn and high inflation.

What to watch for

決算:ファッション各社

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Image: REUTERS/John Sibley

​​今週は、ギャップ(Gap)やメイシーズ(Macy’s)、ラルフ ローレン(Ralph Lauren)、アメリカンイーグル(American Eagle)といったファッション企業各社が決算を発表する予定です。

先週はウォルマート(Walmart)やターゲット(Target)などの大型小売店が決算発表に挑んでいますが、その内容は、米国消費者の“健康状態”はあまり芳しくないとするアラートともいえるものでした。コロナ禍で伸長したアスレジャーのトレンドは、パンデミック以前の支出に戻る可能性が高そうです。一般的に旅行が身近になったいま、米国人はモノより旅行にお金をかけたいと考えているのです。

一方で、高級ブランドほどそうした傾向とは無縁であることもわかっています(LVMHもシャネルもケリングも、むしろ値上げしています)。さらにイベントが再開されている現状もブランドに味方しています。今年、フェスや卒業式、結婚式など催事がこれまでになく開催されており、そこでは高級ブランドが利益を得ています。

アパレル小売業には、商品が比較的コンパクトなため輸送費がさほど高額にはならないというメリットがあります。150ドル(約1万9,000円)のパンツを輸送するコストは、同価格のバーベキューグリルと比べれば、はるかに低いのです。


The ruble is having a moment

ルーブルはいまが旬

経済制裁など、どこ吹く風。ウクライナ侵攻を理由に、ロシア経済に対して多岐にわたる制裁措置が下されていますが、ロシアルーブルは今年において“最もパフォーマンスの高い通貨”に浮上しています。5月23日現在で、ルーブルは対米ドルで前年比30%近い高値をつけています。

3月7日にルーブルは史上最安値(1ドル=143ルーブル)を記録していますが、いま、なぜここまで劇的な回復をみせているのでしょうか。

専門家によれば、この高値は人為的なものであり、(欧米の制裁を受けてモスクワが課した)資本規制の結果であるといいます。ルーブルは数字上は有望に見えるものの、現実には取引量が少ないため為替の変動が激しく、多くの両替所でルーブルの取り扱いがストップしています。つまり、ルーブルは頂点に君臨したとしても短命に終わるということです。

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SURPRISING DISCOVERIES

世界のトリビア

  1. もはや“クリプト恋愛バラエティ”。YouTubeで配信されているリアリティショー『Proof of Love』は、内容こそいわゆるデート番組と同じですが、出演者が皆、クリプトにどっぷり両足を突っ込んでいます
  2. パンデミックが始まって以来、573人がビリオネアになった。国際NGOのオックスファム(Oxfam)の新しい報告書によれば、億万長者の総数は2,668人になりました。他の人たちがどのように暮らしているのか(あるいは、少なくとも世界経済フォーラムで何を話しているのか)、見てみたいですか? 期間限定のニュースレター「Need to Know」(英語版)でお届けしています。
  3. ビリオネアも増えたが、シロオリックス(三日月角オリックス)も増えた。アラブ首長国連邦(UAE)は20頭のオリックスと25頭のアダックスを飼育し、アフリカのチャドの野生動物保護区にリリースしました。これは、本来の生息地であるアフリカで、これらの動物を再繁殖させようとする試みです。
  4. そして、宇宙も拡大している。NASAの科学者たちは、ハッブル宇宙望遠鏡のデータを使って、これまでの計算に基づく推定よりも速いスピードで宇宙膨張が起こっていることを突き止めました。

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