Daily Brief
世界で今起きている事
おはようございます。英国首相の後継候補には、インド系の両親をもつスエラ・ブレイバーマン法務長官も名を連ねています。今朝も「世界で今起きている事」をお伝えします。
- 英国のボリス・ジョンソン首相の後任として、11人の候補者が競い合っている。候補者はこれまでの保守党の党首選と比べて人種が多様で、全員が減税を公約としています。
Eleven candidates are vying to replace UK prime minister Boris Johnson. The candidates are more ethnically diverse than any prior Conservative leadership contest, and all are promising tax cuts. - スリランカ議会は、新大統領選出のための手続きを明らかにした。現職の大統領と首相は、抗議活動と経済危機を受けて、辞意を表明しています。臨時大統領を選ぶための投票は、7月20日に行われる予定です。
Sri Lanka’s parliament outlined steps to elect a new president. The incumbent president and prime minister are resigning amid protests and an economic crisis. A vote will be held on July 20. - ウーバーの内部告発者が名乗り出た。ライドシェアリング会社、ウーバー(Uber)のロビイストだったマーク・マクガン(Mark Macgann)は、同社が複数の国で意図的に法律を破っていたと主張しています。
The Uber whistleblower stepped forward. Ex-Uber lobbyist Mark Macgann alleges the ride hailing company knowingly broke the law in multiple countries. - テスラのベルリン・ギガファクトリーは、2週間にわたり生産を停止している。生産を停止している米EVメーカー、テスラ(Tesla)のベルリン工場は、今年3月に開設されたばかりです。一方、トヨタの元町工場(愛知県)は、一部車種のリコールに伴う原因調査で、稼働停止を継続します。そして、ヒョンデ(Hyundai Motors、現代自動車)は部品不足と納期遅れに直面しています。
Tesla’s Berlin gigafactory is halting production for two weeks. The shutdown has occurred just months after the factory opened in March. Meanwhile, Toyota’s Motomachi plant will continue its suspension amid a model recall. Hyundai Motors faces part shortages and delivery delays. - 中国で銀行預金の凍結をめぐる抗議デモがエスカレート。中国・河南省では、地元銀行が預金引き出しを停止していることを受けて大規模なデモが発生し、一部が警察当局と衝突。逮捕者も出ました。
Protests in China over frozen bank deposits turned violent. Mass demonstrations in Henan Province have led to arrests and clashes with police. - 上海でCOVID-19のオミクロン株派生型「BA.5」の感染例が初めて確認された。当局は厳しいロックダウンが再び行われるのではないかという懸念を払拭しましたが、一部地区ではより厳しい規制が復活しています。
Shanghai recorded its first case of covid-19 subvariant BA.5. Authorities allayed fears of a return to harsh lockdowns, but tougher restrictions have returned to some districts. - シドニー港にアボリジニ旗が恒久的に掲揚される。数年越しのキャンペーンを経て、先住民コミュニティーの勝利を称えるものです。
The Aboriginal flag has been permanently raised over Sydney harbor. It has been hailed a victory for the Indigenous community following a years-long campaign.
What to watch for
宇宙望遠鏡、撮って出し
11日夜(現地時間)、ジョー・バイデン米大統領は米航空宇宙局(NASA) の新型宇宙望遠鏡「ジェームズ・ウェッブ」による最初の画像を公開しました。これが史上最高の解像度で捉えられた宇宙の画像、少なくとも約130億年前の宇宙の姿です。
ジェームズ・ウェッブの大きさは、テニスコート1面分。これまで宇宙に設置されたなかで最大かつ最も強力な望遠鏡で、100億ドル(約1.3兆円)をかけてつくられました。完成は予定より10年遅れ、予算も当初のものの2倍がかけられましたが、月面からでも地球上のハチの熱を見分けることができるほど強力です。
昨年12月、地球から100万マイル離れた宇宙を目指して打ち上げられたジェームズ・ウェッブですが、現在、口径6.5メートルの反射鏡を使って遠くの惑星や古代の星を覗き込む準備が整いました。今日12日には、NASAの科学者は、星や銀河、惑星の画像をさらに5 枚公開する予定で、宇宙望遠鏡の性能がより詳しくわかる予定です。
Europe’s gas squeeze
メンテで逼迫、ガス事情
昨日11日、ロシアは、大陸最大の天然ガスパイプライン「ノルドストリーム1」を、定期メンテナンスのために停止させました。ここで懸念される問題は、このメンテナンスが予定されている10日間で終わるのか、ということです(そもそも再開されるかどうか、という問題もあります)。
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は天然ガス流通を維持することで得られる金銭的なメリットに関心を抱いているものの、ドイツ政府関係者の中には、プーチンが利益よりも政治的事情を選ぶのではないかと懸念する声もあります。
言うまでもないことですが、やがて冬が訪れます。11月までに天然ガスの貯蔵量を80%以上にする必要がありますが、欧州の天然ガス消費国のほとんどでは、需要が高くなる冬およびパンデミックでガス生産量が減った時期を経て、貯蔵量は目標の80%をはるかに下回っています。ガス市場が極端に逼迫する見込みの今年の冬に向けて、先物価格はすでに上昇しています。
英国は貯蔵率こそ高いものの、同国の施設の貯蔵能力は数日分しかなく、上のグラフが示す以上に不安要素は大きいといえます。
SURPRISING DISCOVERIES
世界のトリビア
- かつて絶滅が心配されたインコが復活しつつある。繁殖プログラムが成功し、アオコンゴウインコの個体数が増えています。
- インド・グジャラート州の海岸沿いには100頭以上のライオンが棲みついている。自然保護活動家によると、群れ間の縄張り争いが原因で、一部のライオンが海岸に追いやられたそうです。
- フィンランドの新しいイベント会場は、95本の木に支えられている。ヘルシンキの「ピック・フィンランディア(Pikku-Finlandia)」は、移動やリサイクルも可能です。
- ナノ粒子は、歯のクリーニングの未来になるかもしれない。歯ブラシの代わりに、「robotic microswarm」が、ブラシ、すすぎ、フロスの3役をこなすかもしれません。
- 英国のハイイロリスが避妊薬を投与されることに。英国の森林を脅かす存在となっているため、ヘーゼルナッツのスプレッドに混ぜて経口避妊薬を与えます。
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