Daily Brief:待望のワクチン、米国民の元へ

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Daily Brief

世界で今起きている事

Quartz読者の皆さん、おはようございます。次期米大統領を決める選挙人の投票を14日に控えて緊張が高まるなか、ついにワクチンの接種が始まることになりました。月曜日のグローバルニュースをお届けします(英語版はこちら)。

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  1. 米国がワクチンの配布を開始。米ファイザー(Pfizer)と独ビオンテック(BioNTech)が共同開発したCOVID-19ワクチンの最初の出荷分は今日(14日)、全50州に到着するとみられます。米国の死亡者数が30万人に近づくなか、高い感染リスクにさらされている医療従事者が、最初に接種を受けることになります。
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    US begins distributing vaccines. The first doses of the Pfizer-BioNTech Covid-19 vaccine are expected to arrive in all 50 states today. High-risk healthcare workers will be the first to receive the drug, as the US death toll nears 300,000.
  2. 中国ワクチンの承認2カ国目はバーレーン。バーレーンの医薬品規制当局は、中国の国営製薬大手、シノファーム(Sinopham、中国医薬集団)が製造したCOVID-19ワクチンの大量流通を許可しました。同社のワクチンでは86%の有効性が確認されたと言われていますが、これまでは、一部の国で緊急使用が承認されただけでした。
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    Bahrain becomes second country to approve China vaccines. Bahrain’s drug regulators cleared Sinopharm Group’s Covid-19 vaccine for mass distribution. The China-made drug, which has been found to have an 86% efficacy rate, had previously only been approved for emergency use in a few countries.
  3. ドイツはクリスマスに向けてロックダウンを厳格化。今年のドイツでのクリスマスの催しは、例年よりもずっと簡素になりそうです。最近のCOVID-19感染者数の急増を受けて、必須業種にあたらない店や学校は閉鎖されるためです。パンデミックの影響を受けている企業は、最大50万ユーロ(約6,300万円)の政府援助の対象となります。
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    Germany goes into hard lockdown over Christmas. Christmas festivities in Germany will be much simpler this year, as non-essential shops and schools close due to a recent spike in Covid-19 cases. Affected businesses are eligible to receive up to €500,000 ($605,000) in government aid.
  4. ブレグジット協議は継続へ。英国とEUは、重要な貿易問題を解決するために、ブレグジット後の関係をめぐる交渉を継続することで合意しました。「英海域でのEU漁船の漁業権」と「公正な競争環境」をめぐり、議論が行き詰まっていました。
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    Brexit talks extend. The UK and the EU have given themselves an extension to resolve a critical trade deal. The two parties are currently deadlocked on fishing rights and fair competition.
  5. トランプの集会に関連して4人が刺され、1人が撃たれた。ワシントン州オリンピアで男性が撃たれ、警察官4人が負傷したほか、首都ワシントンDCでは4人が刺される事件が発生しました。この小競り合いは、大統領選の結果を覆すよう求める訴えを退けた最高裁の判断に抗議するために、トランプ支持者が全国各地で開いた集会で発生しました。
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    4 stabbed, 1 shot in relation to Trump rallies. A man was shot and four police officers were injured in Olympia, Washington and four people were stabbed in Washington, DC. The skirmishes occurred at pro-Trump rallies across the country, as supporters gathered to protest a Supreme Court ruling that declined to overturn election results.
  6. インドの労働者がiPhone工場を荒らしている。インドのベンガルールにあるウィストロン・インフォコム(Wistron Infocomm)の工場で、家具を壊し、車に火をつけたとして、100人以上の労働者が逮捕されました。怒った労働者たちは、台湾の電子機器受託製造サービス(EMS)大手が4カ月も賃金を支払わず、残業さえ強要していると主張しています。
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    Indian workers ransack iPhone plant. Over 100 workers were arrested for smashing furniture and setting a car on fire at the Wistron Infocomm factory in Bangalore, India. Enraged workers complained that the Taiwanese company has not paid them in four months and has even forced them to work overtime.

What to watch for

フィットネス界の新星

アップルは月曜日(14日)、ストリーミングフィットネスサービス の「Apple Fitness+」をローンチする予定です。月額9.99ドル(約1,030円)または年額79.99ドル(約8,320円)で、ヨガやサイクリング、ダンス、筋トレなどのクラスとトレーニングを提供します。しかし、今、ホームフィットネス市場は飽和状態です。

  • 🚲 ペロトン(Peloton)Variis、ミラー(Mirror)などのハードウェア企業は、自転車やトレッドミルなどのエクササイズ器具とストリーミング・ワークアウトを組み合わせて提供しています。
  • 🥇 ストラバ(Strava)のようなソーシャルフィットネスアプリは、あなたのワークアウトを追跡し、モチベーションを維持します。
  • 💪 パンデミックによってジムは打撃を受けましたが、地元のフィットネススタジオの中には、顧客とより強固な関係を築いているケースもあります。
  • 📱 多くのトレーナーが、YouTubeやInstagramで在宅トレーニングプログラムを提供しています。
  • ⌚️ アップルは、同社の広大なエコシステムが競争相手を凌駕できるとみています。Fitness+のクラスは、iPhoneやiPad、Apple TVで利用することができ、Apple WatchやApple Musicと統合される予定です。これは、アップルがスポティファイ(Spotify)と競うために使ったのと同じ戦略です。

Charting AI research

人工知能研究の危険性

いかなる研究分野と比べても、人工知能ほど企業に支配されている分野は、ほかに見当たりません。そして、グーグル(Google)の親会社であるアルファベット(Alphabet)や、人工知能に特化した姉妹ラボであるディープマインド(DeepMind)ほど、人工知能の分野で支配的な企業は他にないといえるでしょう。NeurIPSのようなAIの国際会議で発表された論文の数は、この2社だけで、ほかの企業や大学の2倍になるほどです。

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しかし、ここ数週間で、人工知能の研究の多くを巨大テック企業に委ねてしまうことの危険性を示すケーススタディが登場しました。11月30日、ディープマインドは、タンパク質の折りたたみ構造を予測するモデル「AlphaFold」についての新たな研究成果を発表しましたが、同社は、この研究結果を査読付き論文で発表しなかっため、学者たちから批判を浴びる結果となりました。また、12月3日には、グーグルが、有名なAI倫理学者であり、同社の倫理的人工知能チームの共同リーダーを務めていたティムニット・ゲブル(Timnit Gebru)を解雇したことを発表しました。どちらの話もAIにおける説明責任について新たな問題を提起していますが、AIのモデルを構築するには膨大な計算コストがかかるため、研究は少数の研究機関に集中してしまっています。


SURPRISING DISCOVERIES

世界のトリビア

  1. 電動航空機が商業的なブレークスルーに近づいている。最新機種は「STOL」と呼ばれるもので、「短距離離着陸機」の略です。
  2. ベネズエラの漁村の岸辺にお宝が流れ着いている。その出所は謎のままです。
  3. 人々はビデオデートを嫌っているわけではありません。バーチャルデートを経験した独身者の7割近くが、パンデミック後も続けると答えています。
  4. 腺ペストがシェイクスピアの悲劇を形作った。この疫病は、彼が生まれた年に、故郷であるストラトフォード・アポン・エイヴォンにまで広がりました。
  5. ケニアの野生動物保護官は、沈む島から2頭のキリンを船で救出。水位の上昇が動物たちの生息地を脅かしています。

【今日の夕方は…】

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イギリスを皮切りに新型コロナウイルスのワクチン接種が始まり、光が見えはじめた旅行業界。一時は瀕死の状態に陥ったAirbnbは先週Nasdaqに上場を果たし、10兆円近い時価総額を付け高い評価を受けました。その栄光の影で、Airbnbが切り開いた民泊市場の「次」を狙うユニークなスタートアップが今、若者の支持を集めています。


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