Daily Brief
世界で今起きている事
Quartz読者の皆さん、おはようございます。金曜日のグローバルニュースをお届けします(英語版はこちら)。
- 「欧州委がアストラゼネカへの法的措置を準備中」との報道。英アストラゼネカ(AstraZeneca)による新型コロナウイルスワクチンの供給量が、当初の約束を大幅に下回っているとして、欧州委員会が法的措置を講じようとしている、と報じられています。
The European Commission is taking AstraZeneca to court. The bloc reportedly plans to sue the vaccine maker for greatly under-delivering on promised jabs. - 英国議会は中国のジェノサイドを非難した。中国当局が、ウイグル人などの民族的・宗教的マイノリティーをめぐり、人道に対する罪を犯したとする動議を可決しました。一方、制裁にもかかわらず、新疆ウイグル自治区からの対米輸出は第1四半期に倍増しました。
The UK’s parliament accused China of genocide. It voted to endorse a motion alleging Beijing authorities committed crimes against humanity towards ethnic and religious minorities, including Uyghurs. Meanwhile, despite sanctions, Xinjiang’s exports to the US doubled in the first quarter. - ロシアはウクライナ国境の部隊に撤収を命じた。国境付近とクリミア半島での軍備増強は、ウクライナや欧州の近隣諸国の警戒感を高めていました。
Russia said it’s pulling back troops from the Ukrainian border. The recent military buildup in Crimea alarmed Ukraine and its European neighbors. - シリアからのミサイル着弾でイスラエルが報復。シリアから発射された地対空ミサイルは、イスラエル南部のネゲブ砂漠周辺に着弾。約30キロ離れた場所には、核関連施設がありました。この攻撃への報復として、イスラエルはシリアに空爆を行いました。イスラエルをめぐっては、核施設の停電に関与したとしてイランが報復を宣言しており、今回のミサイル攻撃にイランが関与している可能性も指摘されています。
Israel retaliated after a Syrian missile hit close to a nuclear reactor. The attack could be tied to Israel’s recent covert actions against Iran’s nuclear program. - クレディ・スイスは資金を必要としている。スイスの金融大手、クレディ・スイス(Credit Suisse)は、米アルケゴス・キャピタル・マネジメント(Archegos Capital Management)と英グリーンシル・キャピタル(Greensill Capital)との取引による損失が拡大するなか、最大20億ドル(約2,100億円)の資金調達をしようとしています。
Credit Suisse needs cash. The bank is asking investors for up to $2 billion as losses mount from exposure to Archegos Capital Management and Greensill Capital. - 欧州の自動車メーカーは半導体不足のために生産を遅らせている。英ジャガー・ランドローバー(Jaguar Land Rover)や独ダイムラー(Daimler)など、世界の自動車メーカーは、工場での生産縮小を余儀なくされています。
European automakers are slowing production because of the chip shortage. Jaguar Land Rover and Daimler are among the global car manufacturers that have been forced to idle factories. - アジア諸国は気候変動に関する公約を強化した。日本は2030年までに温室効果ガスの排出量を46%削減するという意欲的な目標を設定し、韓国は海外で推進される石炭発電事業への政府開発援助(ODA)を中止すると表明。中国は2026年から石炭の消費量を段階的に削減することを明らかにしました。
Asian countries doubled down on their climate pledges. Japan set an aggressive new target to cut greenhouse gas emissions by 46% by 2030, while South Korea said it would stop funding foreign coal-powered plants and China said its coal consumption would peak in 2025.
👂 Daily Briefの英語での読み上げ音声、今日は、Jordan Weinstockが担当しています。英語学習などにぜひお役立てください。
What to watch for
壊滅状態のインド
英国はインドを渡航禁止対象国の「レッドリスト」に追加し、本日23日からインド人旅行者の入国を禁止します。これは、感染が急拡大するインドを「英国に危険をもたらす国」とみなしているからです。
米国や欧州、その他の地域がこれに追随すれば、インドはますます孤立することになりかねません。
2021年4月、インドが「最悪」の状況から「壊滅的」な状況になるまで、わずか数週間しかかかりませんでした。4月21日にインドが記録した、31万6,000人近い新規感染者数は、1日当たりの感染者数としてパンデミック発生以降、世界の中でも最多の数字でした。
いま、さまざまな危機がインドを直撃しています。
- インドの医療用酸素不足は、日を追うごとに深刻化しています。
- 病床数不足は絶望的な状況です。
- ワクチンも不足しています。
- 公式なロックダウン下にはありませんが、インドはさまざまな規制の影響を受けています。
- 失業率の上昇による不良債権が、銀行システムを直撃しています。
- 国外に住む多数のインド人たちは、支援に奔走しています。
インドの危機と世界経済についての最新情報は、「Coronavirus Living Briefing」(英語)をご覧ください。パンデミックの影響について、記事を定期更新しています。
Charting fashion’s recovery
欧州が戻ってこない
ラグジュアリーファッションのトップ企業がパンデミックの影響から復活の兆しを見せる一方、欧州市場が回復していません。各ラグジュアリー企業の欧州における昨年比での売上は、エルメス(Hermès)が4.4%減(PDF)。LVMHは9%減(PDF)、ケリング(Kering)に至っては34%減(PDF)となりました。
世界保健機関(WHO)が、ワクチンの普及が「容認できないほど遅れている」と指摘する欧州では、3月末までにかけて、新型コロナウイルスの新規感染者数が急増しました。ラグジュアリー業界は、いまだ多数の店舗が閉鎖している状況と戦っています。
SURPRISING DISCOVERIES
世界のトリビア
- 科学者たちはブラックホールのグループを何と呼ぶか決めかねている。候補としては、「scream」、「crush」、「silence」などがあります。
- 認知症の予防は、ぐっすり眠ることから。最近の研究によると、一晩の睡眠時間が6時間未満の中高年は発症リスクが高くなるそうです。
- 貨物船に帆を設置すると排出量が大幅に削減できる。温室効果ガスの排出量を少なくとも30%削減できる、との指摘も。代替燃料に切り替えるよりも効果的です。
- ペットフードメーカーが培養肉を開発中。愛犬の食事には、細胞培養されたウサギや鶏の肉が使われるようになるかもしれません。
- 時価総額1億ドルの小さな町のデリが上場廃止。ニュージャージーに1軒の店しか持たない企業が、どうしてこれほど高い評価額になったのかは、いまだに謎のままです。
【今日の夕方は…】
本日の「チャート」でも紹介したラグジュアリー業界の回復。その背景には、何があるのでしょうか。夕方のニュースレターではLVMHにフォーカスし、パンデミック下の成長を支えた同社の新たな取り組みに迫ります。
🌍 ウェビナーシリーズ「Next Startup Guides」への参加申込みを受付中です。4月28日(水)に開催する第6回では、Global Brainの上前田直樹さんをゲストに迎え、英国を中心としたヨーロッパにフォーカスします。詳細・お申込みはこちらから。
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