Daily Brief
世界で今起きている事
おはようございます。今朝も「世界で今起きている事」をお伝えします。
- ウクライナはロシアとの外交交渉の条件を設定した。ウクライナの大統領ウォロディミル・ゼレンスキーは、ロシアは軍隊を戦前の位置まで撤収する必要があると述べました。一方、ロシアは、制裁が解除されれば、黒海の封鎖を解き、ウクライナの穀物輸出を解放すると表明しました。
Ukraine set its terms for diplomatic talks with Russia. Volodymyr Zelenskyy stated that Russia must pull back its troops to their pre-war positions. Meanwhile, Russia stated it would release Ukraine grain exports if sanctions are lifted. - 中国は33項目の景気刺激策を発表した。この政策は「経済を正常な軌道に戻す」ためのものとされています。しかし、「ゼロコロナ」政策が依然として実施されているなかでの有効性について、アナリストは疑問を呈しています。
China announced a 33-point stimulus package. The policies are designed to “get the economy back on a normal track,” though analysts have questioned its efficacy as a zero-covid strategy still remains in place. - 米テキサス州ユバルディの小学校で起こった銃乱射事件に、世界の指導者が反応した。ローマ教皇フランシスコは銃規制を呼びかけ、ゼレンスキー大統領はウクライナの人びとが米国人の「痛みを分かち合う」とツイートしました。
World leaders responded to the Uvalde, Texas school shooting. Pope Francis called for gun control, while Zelenskyy tweeted that the people of Ukraine “share the pain” of Americans. - 世界最大の砂糖生産国であるインドが、輸出を制限している。インドはすでに小麦輸出を禁止しており、先週にはブラジルが砂糖の輸出契約を解除しています。世界的に食品の保護貿易主義が高まっていることのあらわれともいえますが、他方、食品輸出大国であるタイはその恩恵を受けることになります。
India, the world’s largest sugar producer, is restricting exports. The announcement followed India’s earlier ban on wheat exports, and Brazil’s canceled sugar export contracts last week, marking a global rise in food protectionism. Thailand, a major food exporter, stands to benefit. - 米国の中央銀行は、予想以上の積極的な利上げに踏み切るかもしれない。昨日(25日)発表された米連邦準備制度理事会(FRB)の議事録によると、インフレ対策としてより早期かつより高い利上げが示唆されています。
The US central bank may raise rates more aggressively than anticipated. Federal Reserve minutes released yesterday indicated faster, higher rate hikes to combat inflation. - 過去最大規模のクリプトファンドが発表された。米VCのアンドリーセン・ホロウィッツ(Andreessen Horowitz、a16z)は、クリプトおよびブロックチェーン企業を支援するために45億ドル(約5,730億円)を調達しました。この数週間、クリプト市場が混乱するなか届いたニュースです。
The largest-ever crypto fund was announced. US venture capital firm Andreessen Horowitz raised $4.5 billion to back crypto and blockchain companies. The news has arrived amidst weeks of crypto market upheaval.
What to watch for
気候変動と首相の約束
今月22日(日)、オーストラリアの首相にアンソニー・アルバニージーが選出されたとき、彼の気候変動への姿勢が選挙を大きく左右したといってもいいかもしれません。
アルバニージーは「気候戦争に終止符を打つ」ことを公約に掲げて選挙戦に臨みました。近年のオーストラリア政治は気候変動を巡って二分され、政策も世界に大きく遅れをとることになりました。アルバニージーは、2030年までに排出量を2005年を基準として43%削減し、オーストラリアを「再生可能エネルギー大国」にすることを約束しています。
もっとも、化石燃料産業には慎重な態度を取るつもりのようです。オーストラリアは液化天然ガスの世界有数の輸出国であると同時に、世界の石炭の約7%を供給しています。そして、この割合は着実に上がっているのです。オーストラリアはソーラーパネルやグリーン水素の工場と並び、多くの新しい石炭プロジェクトに投資しています。
アルバニージーに投票した有権者は、これらのプロジェクトが彼の言う「幅広い排出量に関する課題」と果たして整合するのか、疑問を抱いているかもしれません。
A reckoning on gun culture
銃社会としての米国
24日、米テキサス州で、非常に強力な銃を携帯した18歳の男が子ども19人と教師2人を殺害する事件が起きました。この悲劇に米国は揺れていますが、大きな疑問が頭に浮かぶことでしょう。いったいなぜ、誰も何もしようとしないのでしょうか。
現状を説明しましょう。
- 銃乱射事件が起きると、銃を所持する米国人は、他の武装した人や銃規制の強化から身を守るために、在庫を抱える傾向がある。銃および弾薬関連株価は、その状況を見込んで急上昇する
- 最近、テキサス州で相次いで成立した法律によって、銃の所有・携帯が非常に容易になった
- この事件の数日前、連邦判事がカリフォルニア州の「21歳未満の購入者に銃を販売することを禁止する条例」を無効にした
- 全米ライフル協会は今週、テキサス州ヒューストンで年次総会を開催する方向で進んでいる(1999年のコロンバイン高校銃乱射事件直後にも同様のことをした)
SURPRISING DISCOVERIES
世界のトリビア
- ケチャップの前に、「ケ・ツィアプ」があった。17世紀にアジアから英国に持ち込まれたというこの調味料は、中国南部やシンガポールなどで話される閩南語の名前に由来しています。
- このシューズは「トラッシュ・シック」。バレンシアガ(Balenciaga)がデザインしたボロボロのゴミのようなスニーカーは1,800ドル(約23万円)以上で売られています。環境問題についてのメッセージらしいですが……。
- 古代マヤ文明では抗菌性のある歯の宝石を身につけていた。真珠のように白くて光沢のある歯を宝石で埋めるという習慣は、単に美的感覚や精神的なものだけではなかったかもしれません。
- 新石器時代の英国料理は本当に美味しかった。科学者たちは、ストーンヘンジ付近の住人が 生の牛の内臓を食べていたことを発見しました。
- 香水は20%程度しか天然ではない。19世紀後半に香水に合成香料が含まれるようになり、香りの業界は大きく変わりました。🎧 今週のQuartz Obsessionのポッドキャスト(英語)は、鼻ではなく「耳」が必要です。
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