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Because China
すべてを変える中国
Quartz読者のみなさん、こんにちは。火曜日の夕方は動画シリーズ「Because China」をお届けしています。
今週は、以前のAfrica Risingのニュースレターでも取り上げた、中国のスマホメーカー「Transsion」のアフリカでの成功が契機となり急接近している、エチオピアの起業家たちと、中国の深センの街に迫ります。
(👇のサムネイル画像をクリックするとメンバーシップ会員限定の動画《8分28秒》をご覧いただけます)
Shenzhen is fueling Ethiopia’s startup scene
エチオピアでの成功譚
エチオピアの首都、アディスアベバの街には、「Tecno」と書かれた明るい青い看板の携帯ショップが立ち並んでいます。Tecnoは、中国の携帯電話メーカー「Transsion」傘下のブランドで、アフリカで今最も支持されているスマートフォンメーカーです。
深センに拠点を置くTranssionは、巨大グローバル企業がしのぎを削るなか、10億人以上の人口を誇るアフリカのスマホ市場を静かに席巻しました。
Transsionは、中国をはじめ、多くの地域で名前は知られていませんが、実は、Apple、Samsung、Huaweiに次ぐ、世界第4位のスマホメーカー(中国語リンク)です。
同社は、エチオピアでスマホを製造し、アフリカの他の地域にデザインや研究開発を行う施設を有しています。
アフリカの地で競争力のある価格設定を行い、暗い肌にも適応するカメラやマルチSIM、寿命の長いバッテリーなど、ローカライズされた機能を組み合わせ、Transsionは、アフリカ市場での成功を勝ち取りました。
飽和状態の中国市場から離れ、サービスがまだ行き届いていないアフリカ市場に勝機を見出したTranssionの戦略は、中国のハードウェア製造とイノベーションの中心地である、深センの起業家たちを大いに興奮させ、アフリカへ目を向けるきっかけとなったのです。
世界のテック起業家と深センの製造エコシステムとの仲介役を担う「深センオープンイノベーションラボ」の創業者であるデビッド・リーは、「Transsionの成功談は、深センのメーカーがアフリカに注目する契機となった」と語ります。
深センの企業が、新しい消費市場を求めてアフリカに向かうなか、アフリカの起業家たちは、自身のアイデアを実現するためのパートナーとして、深センに注目しています。
ほんの数年の間に、世界からの深センのイメージは「安価な模倣品の街」から「世界のハードウェアイノベーターたちの中心地」へと変わりました。この新たな深センのイメージは、アフリカの消費者向けに製品をつくろうと考えているアフリカの次世代の起業家たちにとって、魅力的に映っています。
今回のBecause Chinaでは、Quartz編集部はエチオピアに飛び、急成長するエチオピアのスタートアップシーンの実力者たちが、いかにして深センの企業とパートナーシップを結び、中国で最も起業文化の豊かな深センのオープンソースによる製造のエコシステムに入り込んでいるのか、その全貌に迫りました。
ストーリーのすべてはこちらからご覧いただけます《8分28秒》。
This week’s top news
注目の中国ニュース4選
- XiaomiのCEO、故郷へエールを送る。中国のスマホメーカー大手Xiaomiは14日、新型コロナウイルスの影響を考慮し、新製品の発表会をライブストリーミングで行いました。武漢市のある湖北省の出身で、武漢大学を卒業したレイ・ジュンCEOは、「武漢は輝かしい都市だと信じている。武漢の勇敢でありながら楽観的な市民は、必ずこのウイルス打ち勝つことができる」と故郷への思いを語りました。調査会社による中国のスマートフォン販売台数の予測では、Canalys and Strategy Analyticsが、第1四半期の出荷数が前年同期比で50%の減少としているほか、IDCは30%減少すると発表しています。
- 中国との関係悪化でNBAに数億ドルの損失。15日、NBA(米プロバスケットボール協会)のコミッショナー、アダム・シルバーは、NBAオールスターゲーム2020に先立った記者会見で、昨年10月にヒューストン・ロケッツのダリル・モリーGMが、Twitterで香港の民主化運動への支持を表明する投稿をして以来、悪化している中国との関係による損失が数億ドル(数百億円)規模に及ぶと発表しました。10月以降中止されている中国の国営放送、CCTVでの試合中継は、現在も再開されていません。
- Huaweiを巡って欧米に亀裂。土曜日のミュンヘン安全保障会議でマーク・エスパー米国防長官は、欧州諸国が次世代5GネットワークにHuaweiを採用する場合、情報協力において、NATOを含む米国の同盟関係が危険にさらされると警告しました。次世代5Gネットワークをめぐって、イギリスはHuaweiを限定的に受け入れるとしているほか、EUの欧州委員会も、導入については各国の判断に委ねるとする方針を示しています。13日には、フランスのブリュノ・ルメール経済・財務相が「ファーウェイはフランスの5Gからは排除されない」とフランスのニュース専門局、BFMテレビに語っています。
- 観光産業への影響は800億ドル。EIU(エコノミスト・インテリジェンス・ユニット)が発表したレポートによると、新型コロナウイルスによる中国人観光客の減少は、世界の観光産業に約800億ドル(約8兆8,000億円)の損失をもたらし、少なくとも1年間は回復しないといいます。影響が最も大きいのはASEAN諸国で、中国本土からの観光客が約30〜40%減少し、70億米ドルの観光収入の減少につながると推定されています。ヨーロッパとアメリカは、中国本土からの観光客の割合が4%程度のため、その影響はわずかになりそうです。
【今週の特集】
今週のQuartz(英語版)の特集は「The purpose of B Corps(Bコーポレーションの目的)」です。日本ではあまり知られていませんが、環境やガバナンスなどの「良い会社」の基準として、世界で何千社もが認証を得ている「B Corp」。その真相をQuartzがレポートしていきます。
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