Daily Brief:中国にも見限られるムーラン

HERE’S WHAT YOU NEED TO KNOW

世界で今起きている事

Quartz読者の皆さん、おはようございます。世界でボイコット運動が広がる『ムーラン』ですが、中国本土でも反応は厳しいようです。今日もDaily Briefでグローバルニュースをお届けします(英語版はこちら)。

REUTERS/Carlos Garcia Rawlins
REUTERS/Carlos Garcia Rawlins
Image: REUTERS/Carlos Garcia Rawlins
  1. Disneyの『ムーラン』は中国で大失敗するかもしれない。この映画は、上映初日のチケットの前売りで約100万ドル(約1億600万円)しか売り上げておらず、イスラム系少数民族の大量収容を進めている新疆ウイグル自治区の当局への深い感謝をエンドロールで示したことですでに激しい批判を浴びている映画にとって、新たな打撃となります
    🐲
    Disney’s Mulan could flop in China. The movie has only generated roughly $1 million in advance opening day ticket sales, signalling another blow for a film that has already drawn heavy criticism for using its film credits to show appreciation for authorities facilitating the mass incarceration of Muslims in Xinjiang.
  2. 中国の大物が汚職で裁判にかけられる。習近平国家主席を 「皇帝」 「道化」 などと公然と批判して中国共産党から除名された不動産王、任志強は、収賄と横領の罪に問われており、死刑判決を受ける可能性があります。

    A Chinese tycoon goes on trial for corruption. Ren Zhiqiang, a longtime Communist party member prior to his recent expulsion over public criticism of President Xi Jinping as an “emperor” and a “clown,” faces charges of graft and embezzlement that could result in the death penalty.
  3. インドの小売業者の戦いに停戦の兆し。インド大手財閥のReliance Industries(リライアンス・インダストリーズ)は、先月にインドの実店舗小売大手、Future Group(フューチャー・グループ)の一部事業を34億ドル(約3,600億円)で買収したのに続いて、小売部門であるReliance Retail Ventures(リライアンス・リテール・ベンチャーズ)の株式の40%を約200億ドル(約2兆1,200億円)でAmazonに提供することを検討していると伝えられています
    🤝
    There are new signs of a truce in the retail battle for India. Hot on the heels of last month’s $3.4 billion purchase of India’s leading brick-and-mortar retailer, Future Group, Reliance Industries is reportedly considering offering a 40% stake in its retail operations to Amazon for around $20 billion.
  4. …そして、インドと中国の国境紛争でも。世界で最も人口の多い2つの国は、死傷者を出した最近の国境紛争を外交ルートを通じて解決する意向を示しました。しかし、念のために、インドは地域の覇権に対する防衛力を強化することを目的とした日本とのACSA(物品役務相互提供協定)にも合意しました。
    👀
    …And in the border dispute between India and China. The Earth’s two most-populous nations signaled their intent to resolve recent deadly border disputes through diplomatic channels. But just to be safe, India also agreed to a military pact with Japan designed to shore up defenses against the regional hegemon.
  5. Microsoftは2画面の 「Duo」デバイスをリリースした。1,400ドル(約14万8,000円)のAndroid端末は、それぞれの画面上で別々のアプリを実行できるようにするノートPCのデザインを採用しており、端末を閉じたときにも安心です
    💻
    Microsoft released its dual-screen Duo device. The $1,400 Android handset features a notebook design that allows separate apps to run on each screen and peace of mind when the phone is closed.

Beyond Silicon Valley

世界のテックハブ

Quartzの不定期連載、Obsessionsの1つ、「Beyond Silicon Valley」から、カリフォルニアからは見えない、シリコンバレー以外の5つのスタートアップハブをご紹介します(英語記事)。

  • ベラルーシの首都ミンスクは、欧州のアウトソーシングの中心地です。グローバル企業向けのソフトウェア開発や、大ヒットゲーム『World of Tanks』などの開発で、31億ドル(約3,290億円)のテックセクターを築いてきました。しかし、現在も広がる政治的な圧力が、スタートアップシーンの芽を潰す恐れがあります。
  • 米ノースカロライナ州のリサーチトライアングルは、巨大テック企業、大手製薬企業、そして大規模なスタートアップシーンを兼ね備えています。Tier 1レベルに該当する3つの研究大学の間に位置するこの地区には、IBM、Lenovo、Ciscoなどの巨大テック企業や、Bayer(バイエル)やGlaxoSmithKline(グラクソ・スミスクライン)などの医療研究企業が集まっています。
  • 中国南部の深圳では、スマートフォンを一から作ることができます。Tencent(テンセント、騰訊)やHuawei(ファーウェイ、華為技術)などのハイテク大手の本拠地であるこの都市は、国内最大の家電市場である華強北を有し、中国の志ある起業家やハッカーの拠点でもあります。
  • 80年代のインドのITの中心地は、今では「インドのシリコンバレー」となっています。ベンガルールには世界で3番目に多くの技術系スタートアップが集まり、インドのスタートアップにおける資金調達の57%を占めています。南部カルナタカ州のガーデンシティは、インドのミレニアル世代の億万長者たちの中心地でもあり、40歳以下の起業家の17人中10人は、この地域が輩出しています。
  • ラゴスは、ナイジェリアの20億ドル(約2,100億円)規模のテックエコシステムの爆心地となっています。チャン・ザッカーバーグが支援したAndela(アンデラ)を含むいくつものスタートアップが、テック企業の創業者や植民地時代の建築家が住んでいることで知られる、ラゴス郊外のヤバに最初に店を構えました。

Charting forest fire jobs

山火事のお仕事

米国西海岸を壊滅させた山火事によって、少なくとも1つの職業が恩恵を受けています。森林火災の検査と予防の専門家です。米労働統計局は最近、平均年収約5万3,000ドル(約560万円)のこの職業に就く人々の数は、2019年から2029年までに24%増加するものと推定しています。

Image for article titled Daily Brief:中国にも見限られるムーラン

5年前に政府が雇用の変化を推計した際には、この職業は、2014年から2024年の間で、13%しか成長しないと考えられていました。しかし、昨年までで、すでに雇用者数は2024年の予測値よりも高くなっており、直近の予測値でさえ、低すぎる可能性があります。最新の確実なキャリアパスについて詳しくはこちらの記事をご覧ください。

お住まいの地域は、山火事の影響を受けていますか? Quartz記者のマイケル・コーレンもそうですが、彼はどのように呼吸して乗り切るかを調査しました。


You asked about carpooling

相乗り通勤は可能?

もうすぐ職場復帰するのですが、相乗り通勤ができません。車内での社会的距離が保てない場合は、もう安全に仕事に相乗り通勤することはできないのでしょうか?

回答者:

COVID-19から相乗りが徐々に戻ってくる準備は、実はできているように見えます。Google傘下のカーナビアプリ、Wazeで公共部門のパートナーシップの責任者を務めるダニ・シモンズは、すでにブラジルとメキシコで相乗りが増加していると語り、また、より多くの学校や企業が米国で再開することで、相乗り利用が大幅に回復することを期待しています。

CDC(米疾病対策センター)や他の保健当局からの安全な相乗りについての推奨事項については、こちらをお読みください。


SURPRISING DISCOVERIES

世界のトリビア

  1. 彼女は病気なのか。米バイオベンチャー、Theranos(セラノス)の元CEOで、医師や投資家、患者に詐欺行為を行ったとして起訴されたエリザベス・ホームズの弁護士たちは、彼女が精神疾患を患っていると主張しており、判事は調査を命じました。
  2. 注目のスニーカーには歯が生えている。クリスチャン・ルブタンの 「Loubishark」 の歯は、機械を使って彫るのに67時間かかります。
  3. パンデミックは、米国家安全保障局に機密外の仕事の価値を示した。リモートワーカーは自宅のネットワークを使って多忙な日々を過ごし、サイバーセキュリティに関する有益な報告書をまとめました。
  4. ロシアの墓掘り人たちが初のトーナメントを開いた。優勝者は、永遠の安息の場を作り出すのに52分しかかかりませんでした
  5. IKEAは70年分のカタログをオンライン化した。デジタル化プロジェクトは、スウェーデンの家具メーカーのデザインが、1950年以来あまり進化していないことを示しています。

【今日の夕方は…】

REUTERS/JORGE SILVA
REUTERS/JORGE SILVA

今日のPMメール、New Normalは、「新しいお酒の楽しみ方」をテーマにお届け。米国では、パンデミック前後でアルコールの摂取量はそこまで大きく変わっていませんが、いわゆる「宅飲み」が増えたことで、家庭での消費量が増加しています。今回は、そういった事例をもとに、変わるお酒の楽しみ方を考察します。


💌このニュースレターをシェアしたいときは、ご自由に転送ください(転送された方へ! 登録はこちらからどうぞ)。

👇のボタンでニュースレターをTwitter、Facebookでシェアできます。Quartz JapanのTwitterFacebookでも最新ニュースをお届けしています。

🎧Quartz JapanのPodcast最新エピソードは「ノルディック・ハピネス(北欧の幸せ)」について語っています。