Daily Brief:退職計画の理想と現実

REUTERS/Lucy Nicholson

HERE’S WHAT YOU NEED TO KNOW

世界で今起きている事

Quartz読者の皆さん、おはようございます。早いもので、もう金曜日。今週最後のDaily Briefから、グローバルニュースをお届けします(英語版はこちら)。

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  1. 米大統領選候補が同時刻にタウンホールを開催する。すでに期日前投票が始まっているなか、ドナルド・トランプは、民主党候補のジョー・バイデンとの第2回テレビ討論会をリモート形式で行うことを拒否。両候補は、同時刻に別の場所でタウンホールを開き、いずれもテレビ中継される予定です。最新の調査によると、米印関係にも幅広い影響を与えるとみられるこの選挙で、インド系米国人の大多数がバイデンへの投票を予定しているようです。
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    US presidential candidates host competing town halls. With voting already underway, Donald Trump refused a virtual debate to instead book a live national broadcast at the same time as a similar event from Democratic nominee Joe Biden. New research shows that a large majority of Indian-Americans plan to vote for Biden in an election with broad impacts on US-Indian relations.
  2. TencentのWeChatは米国で猶予を与えられた。米サンフランシスコの連邦地裁の判事は、推定1,900万人の米国人ユーザーをもつ中国ネットサービス大手、Tencent(テンセント、騰訊)の「スーパーアプリ」を禁止する米大統領令について、執行を許可する可能性は低いと述べました。また、同様に禁止される可能性に直面しているTikTokは今週、米国の裁判所での審理で、同アプリに対する米国の規制が競合他社の追い上げを許していると訴えました。
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    Tencent’s WeChat received a US reprieve. A San Francisco judge said she was unlikely to allow a US ban on the Chinese “super app” with an estimated 19 million American users during an appeal process. Also facing a potential ban, TikTok was also in US court this week, complaining that US restrictions on the app is allowing its rivals to catch up.
  3. タイで抗議運動が続く。バンコクでは何万人ものデモ参加者が新たに課せられた午後6時の夜間外出禁止令を破り、活動家たちは金曜日(16日)もデモを続けると宣言しました。一連のデモでは、プラユット・チャンオチャ首相を解任し、国王の権限を制限するよう要求しています。

    Growing Thai protests continue. After tens of thousands of Bangkok protesters broke a new newly-imposed 6pm curfew, activists vowed to continue demonstrations on Friday. The movement seeks the removal of the country’s prime minister and limits on the powers of Thailand’s king.
  4. ニュージーランドで総選挙。新型コロナウイルスのパンデミックへの対応をめぐって世界的に高く評価されているジャシンダ・アーダーン首相率いる最大与党・労働党は、野党・国民党を抑えて議席の過半数を獲得すると予想されています。
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    New Zealand votes. Internationally adored for her handling of the coronavirus pandemic, Prime minister Jacinda Ardern’s Labour party is expected to retain its parliamentary majority against the opposition National party.
  5. Stripeがアフリカ企業を買収した。ナイジェリアの決済スタートアップ、Paystack(ペイスタック)は、米決済サービス大手のStripe(ストライプ)に約2億ドル(約210億円)で買収されました。Stripeは、両社を引き続き独立して運営するという国際展開を計画しています。
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    Stripe made an African acquisition. Nigerian payments startup Paystack hashas been acquired by the US payments giant in a deal valued at around $200 million as Stripe plots an  international expansion that will see both companies continue to operate independently.

Not so fast

いつまで働き続けるか

記録的な低金利が続くなか、退職は待った方がいいのかもしれません。では、退職を計画している米国の労働者は、どうすればいいのでしょうか?

一般的に考えられていることの一つは、被雇用者たちは、仕事を長く続けるだろうということです。実際に、ファイナンシャル・アドバイザーのエドワード・ジョーンズが調査したところ、30%近くの人が、新型コロナウイルスのパンデミックのために、退職を延期する予定だと答えています。しかし、この戦略の問題点は、多くの人々が仕事を続ける能力を過大評価してしまうことにあります。米国の平均退職年齢は61歳で、ここ数年、ほとんど変わっていません。

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Quartz記者のジョン・デトリックスが、この状況下で他にどのような選択肢があるのか、こちらの記事(英語)で詳しく調査しています。


Charting the US trade deficit

拡大する貿易赤字

商品およびサービスにおける米国の貿易赤字は、8月に670億ドル(約7兆633億円)に達し、このペースで赤字が拡大し続ければ、過去最大となります。

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一般的に米国の貿易不均衡が大きいのは、ドルが世界の基軸通貨であることが主な原因です。世界中の人々がドルを手元に置きたがっています。そのため、外国人は米国に商品を売っても、常にすぐそのお金を使って米国企業から商品を購入するわけではありません。むしろ、ドルは安全な資産であるため、彼らはそれをキープしたいと考えているのです。そうなると、米国人たちは自分たちが生産する以上のものを消費することになります。

Quartz記者のダン・コプフが、貿易赤字がそれほど悪いものではないと考えられる理由を、こちらの記事(英語)で詳しく解説しています。


You Asked about contact tracing

接触者追跡の最前線

なぜ米国では、接触者の追跡が効果的ではないのでしょうか?

回答者:

いい質問ですが、これはトリッキーです。追跡者が悪いわけではありません。診断テストの結果が出るまでに数週間かかるため、他の人に感染させる前にCOVID-19の感染者を特定することが難しくなっているのです。

しかし現在、接触者の追跡をより効果的にするアプローチがあります。DNAの代わりに、ウイルスの外側のコーティング上にあるタンパク質を探す抗原検査です。この検査は、PCR検査ほど高感度ではないため、ウイルスの量が多く、非常に感染力が強い場合にのみウイルスのタンパク質を検出することができます。検査に必要なのは、クレジットカードほどの大きさの機器で、15分で結果が出ます。

これは、接触者を追跡している人々にとっては耳寄りの情報です。彼らは、症状が出る前の48時間以内に、感染者が接触した人々、全員に連絡を取っていますが、すぐに結果が出れば、より正確に追跡することができます。検査結果の遅れが長ければ長いほど、感染者は接触した人を思い出すのが難しくなるので、検査結果が即時に判明することは、正確な接触者の追跡につながります。キャサリン・エレン・フォーリー記者が、抗原検査とそれがパンデミックに与える影響について、こちらの記事(英語)でさらに深く掘り下げています。


SURPRISING DISCOVERIES

世界のトリビア

  1. 宇宙は(現金にとって)真空だ。ジェフ・ベゾスが設立した宇宙開発企業、Blue Origin(ブルー・オリジン)のCEOが語った言葉は注目に値します。「私たちは全てのフライトでお金を稼ぎます」。
  2. QRコードが待ち続けていた瞬間。今では必須となったQRコードも、パンデミック以前はひどいものでした
  3. ほんとは誰も“Netflix”を観ていない。過去6週間、Netflix上で視聴されたコンテンツのうち、Netflixが実際に制作したものはわずか3%でした。
  4. Buttcheeksはワンワード。少なくともそれが、ブラジルの上院議員の裏金の隠し場所について、ロイターが決めたことです(お尻を意味するbuttcheeksは、文法的には本来buttとcheeksそれぞれ個別の単語)。
  5. 本物のレゲトンファンはレシートを見せる。少なくともそれが、J Balvinとマクドナルドの最新コラボ・マーチからのメッセージです。

【今日の夕方は…】

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Image: REUTERS/JOE PENNEY

本日夕方のニュースレター「New Normal」は、「アフリカのファッション業界」についてお届け。COVID-19のパンデミックの影響で、必然的にサイクルの変化が求められるようになったファッション業界。もともと「サステイナブル」を意識した服作りを行ってきたアフリカのファッション業界には今、何が必要とされるのでしょうか?


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