Future of Work:未来のしごとAtoZ

Future of Work:未来のしごとAtoZ

Deep Dive: Future of Work

「働く」の未来図

[qz-japan-author usernames=”dkopfqz”]

Quartz読者の皆さん、今日もお仕事お疲れさまです。もう1週間働けば、日本は大型連休。新しい環境で仕事を始めた方々も、もう慣れてきたところでしょうか。今日は、米版Quartzの「A book to prepare your children for the future of work」と題した記事の翻訳をお届けします。

Image for article titled Future of Work:未来のしごとAtoZ
Image: Bárbara Abbês for Quartz

「働く」って、どういうことだろう?

子どものころはただ遊んでいればよくっても、物事は移り変わる。そしていつか来るある日、君は仕事を始める。

確かに、未来は予測不可能で、先の仕事のことなんてわからない。でも、判断し、すばやく行動できれば何も恐れることはない。

さあ、未来の仕事を覗いてみよう。アルファベットの「AtoZ」で。怖がらずに、見てみよう。

Image for article titled Future of Work:未来のしごとAtoZ
Image for article titled Future of Work:未来のしごとAtoZ

AはAutomation(自動化)のA。
それは、ヒトの仕事を破壊するもの。
かつてストライキの原因になったほど。

とはいえ、これは素晴らしいことでもある。
例えば、農業革命。
農業はむかし本当に大変な仕事だった。

自動化がもたらす効果は複雑で、
創造し、終わりを告げもする。
自動化は人間の仕事を奪うだけ?
答えは難しい。なにしろ場合によりけりだから。

Image for article titled Future of Work:未来のしごとAtoZ

BはBenefits(福利厚生)のB。
労働に対して支払われるのは、お給料だけじゃない
ヘルスケア、育児休暇、年金……。
いまではこんな福利厚生が流行っている。

休みをたくさん取りたいなら、
教育業界に入るのもいい。
お世辞にも給料は最高とは言えないけれど、休みは期待できる。

Image for article titled Future of Work:未来のしごとAtoZ

CはComputer Science(コンピュータ・サイエンス)のC。
学ぶのに、とてもよい科目。
コードを書くには勉強が必要だから、
友だちといっしょに
Javaを学ぶなんてどうかな?

コンピュータ・サイエンスは楽しくて、
おまけに高給間違いなし

きっと、君は成功することだろう。
この先ソフトウェアが
コーディングを簡単にしすぎなければ

Image for article titled Future of Work:未来のしごとAtoZ
Image for article titled Future of Work:未来のしごとAtoZ

DはData(データ)のD。
世界のどこにでも存在するけれど、
理解するのは難しい。
だからこそ、その知識をもった人材が求められている。

Python、R、Excel。
そしてチャートのつくり方。
これらのスキルを手にした君のキャリアは飛躍するはず。
控えめに言っても、いいスタートは切れる。

Image for article titled Future of Work:未来のしごとAtoZ

EはElderly(高齢者)のE。
高齢者には手厚いケアが必要で、
人類は高齢化し、90歳代も珍しくない世界が訪れる。

すると、高齢者がよい生活を送れるよう
サポートするヘルパーが求められる。
ただ悲しいことに、これらの仕事は低賃金。
けれども、そんな仕事が必ず増えていく

Image for article titled Future of Work:未来のしごとAtoZ

FはFossil Fuels(化石燃料)のF。
地底深くに埋まっている。
でも、自然エネルギーの方が活躍の場は
増えてきている。だから、
石油の発掘なんてしなくなる。

例えば、ソーラーパネルを敷く仕事はどうだろう。
これはアメリカで最も急成長している職業のひとつ。
給料もそれなりにいい。
それに何より、わたしたちを
「破滅」から助け出す救世主かもしれない。

Image for article titled Future of Work:未来のしごとAtoZ
Image for article titled Future of Work:未来のしごとAtoZ

GはGig Economy(ギグ・エコノミー)のG。
Uberやマーケットプレイスの「Task Rabbit」のようなもの。
もはや「副業」も当たり前になったから、
選択肢として考えてみては?

ギグ・エコノミーは成長している。
反面、いまのところ、雇用市場は安定している。
フルタイムの仕事がなくなったわけではないけれど、
覚えておいてほしい、
自分の意思と能力さえあれば副業しない手はないってことを。

Image for article titled Future of Work:未来のしごとAtoZ

HはHolacracyホラクラシー)のH。
それは管理階層が存在しない状態、
肩書きのないフラットな組織。
会社を大きく成長させるイノベーションを支援する方法。

君はホラクラシー組織が苦手かもしれない。
リーダーを置かないことが混乱を引き起こすケースもあるから。
特に、君が人の決断に従いたいタイプなら辛いかもしれない。
決めてくれる上司はいないから、
能動的に動かなければならないから。

Image for article titled Future of Work:未来のしごとAtoZ

IはInclusion(インクルージョン)のI。
企業は多様な人材を求めている。
多様性を実現するために専属のマネージャーを採用するほど。
なぜって、一部の業界はかなり酷い状況だから。

君が社会人になったなら、
すべての人に敬意をもって接するようにしてほしい。
自分の偏見や違いを理解しようと努力すること。
自分の行動が、正しくあるように。

Image for article titled Future of Work:未来のしごとAtoZ

JはJob Search(ジョブ・サーチ)のJ。
LinkedInのような求人サイトが出てきて、
自分に合う仕事を見つけるのは格段に簡単になった。
企業側にも、「必要な人材」を直接探す機会ができた。

ジョブ・サーチをしっかりすれば、
会社に長くいられるかもしれないし、
仕事の満足度だって高くなるはず。
そして、新しい仕事を探すときには必ずや成功の手立てになる。

Image for article titled Future of Work:未来のしごとAtoZ

KはKiosks(小売)のK。
小売業は変わりつつある。
わたしたちは、自分で画面から注文し、
支払いまで画面で簡単に完結できる。
つまり、役割の再編成が起きている。

もし君が小売業で働くことになったなら、
さまざまな仕事があることだろう。
ただただレジに座っているだけではなく、
お客のどんな要望にだって
応えることができるようになる。

Image for article titled Future of Work:未来のしごとAtoZ
Image for article titled Future of Work:未来のしごとAtoZ

LはLifelong Learning(生涯学習)のL。
わたしたちは常に新しいスキルを
身につけなければならない。
テクノロジーの進化は凄まじい。
じっとしているわけにはいかない。

新しいソフトウェアやワークスタイルを
君は受け入れざるをえない。
だからたくさんのオンラインコースを受講するといい。
そうすれば苦労せずに対応できるはずだから。

Image for article titled Future of Work:未来のしごとAtoZ

MはMiddle-skilled Jobs(ミドルスキル・ジョブ)のM。
ホワイトカラーとブルーカラーの中間にある彼らは
すぐに消えてしまう。
だから教育を受けた知識労働者になろう。
さもなくば、低スキルの職業に就くのが、
君の未来の姿だから。

これは主に都市部に当てはまることで、
ミドルスキルの仕事は自動化されたり、なくなったりしている。
つまり、「仕事」は高スキルか低スキルのどちらかしか存在しなくなる。
この不平等の矛先は、紛れもなくわたしたちに向いている。

Image for article titled Future of Work:未来のしごとAtoZ

NはNon-compete Clause競業避止義務)のN。
これは仕事に就くときにサインしなければならない契約書。
これがあるから競合他社のために働くことはもちろんできないし、
必死で学んできたスキルを持ち出して辞めることもできない。

でも、これでは市場競争が阻害されてしまう。
最近では競業避止義務を認めないところも出てきている。
スタートアップの立ち上げ数が少なすぎる原因のひとつかもしれない。

Image for article titled Future of Work:未来のしごとAtoZ

OはOrganized Labor(組織労働者)のO。
何年も前から世界の多くの地域で、労働組合員の割合は減っている。

ただ、格差が広がれば組合文化は息を吹き返すかもしれない。
労働者の利益分配率が低ければ、暴動につながることだってある。

Image for article titled Future of Work:未来のしごとAtoZ
Image for article titled Future of Work:未来のしごとAtoZ

PはPay Gaps(賃金ギャップ)のP。
いまはまだ女性や有色人種の収入は少ないけれど、
少しずつ変化しているから、未来は明るいかもしれない。

しかし、多くの企業のトップは男性と白人のまま。
人種、性別、出自によらず
誰もが思う存分能力を発揮する職場にするには「力」がいる。
「真の権力」を手に入れるには、まだまだ戦いが必要みたいだ。

Image for article titled Future of Work:未来のしごとAtoZ

QはQuarantine(隔離)のQ。
ウイルスに感染すると、
治療のために仕事の手を止めなければならない。
そうすれば、あなたは仕事を失うかもしれない。
でも、それはあなたのせいじゃない。

頑張って貯金するか、経済的に安定した会社を探すか……。
蓄えておくのはいいことだけど、未来は決して確かじゃない。

Image for article titled Future of Work:未来のしごとAtoZ

RはReal Estate(不動産)のR。
不動産がお金持ちだけでなく、誰の手にも届くものであれば、
雇用市場は健全な状態に保たれる。

ある都市は不動産価格が高すぎて
住宅を探すことすら苦労する。
さらに子どもができたら引っ越さなければならないのが、いまのリアル。
そんな人にとって中心部から離れた郊外は
魅力的な選択肢になる。

Image for article titled Future of Work:未来のしごとAtoZ
Image for article titled Future of Work:未来のしごとAtoZ

SはSpace(宇宙)のS。
わたしたちはそう遠くない将来、
火星で働くことになるかもしれない。
あるいは月でも別の惑星でも。
宇宙ステーションにいるかもしれない。

いまはまだ人工衛星が中心だけど、
宇宙経済は確実に成長している。
観光、そしてテラフォーミング……。
人類の行き先は、誰にもわからない。

Image for article titled Future of Work:未来のしごとAtoZ

TはTransparency(透明性)のT。
企業が自分たちの計画を自ら明らかにすること。
給料、戦略、財務……そのとき、
プライバシーはもはや重要じゃない。

これは心強いことかもしれないけれど、ちょっと怖くもある。
そう、同僚の収入を知るのは地獄の深淵を覗く羽目になりかねない。

Image for article titled Future of Work:未来のしごとAtoZ

UはUniversal Basic Income最低限所得保障)のU。
市民であるだけでもらえるお金。
政府がすべての国民に対して
一定の現金を定期的に支給する政策で、
人びとの生活の基盤をサポートする。

何もしなくてもお金が手に入るとなれば、
怠け者ばかりになってしまうとか、
一日中ゲームをやる人が出てくると、
不安に思う人もいる。
でも、ベーシック・インカムは人びとの創造性を
解き放つきっかけになるかもしれない。
頭のスペースの多くを占める、給料の心配が消えるから。

Image for article titled Future of Work:未来のしごとAtoZ

VはVenerable(年配者への思いやり)のV。
70代でも働く人は増えていて
さらにその数は増えていく。

たとえ60年ものあいだ働いても、
仕事を辞めるという選択は軽率かもしれない。
退職金が増えでもしない限り、
生きるための日銭は確保しなければならないから。

Image for article titled Future of Work:未来のしごとAtoZ
Image for article titled Future of Work:未来のしごとAtoZ

WはWorking From HomeのW。
通勤しない人、自宅で仕事をする人が増えている。
孤独だけど、お金は貯まる。

おまけにパジャマのまま9時〜17時まで仕事ができるなんて。
とっても素敵な「特典」のように思えるでしょう?
ほぼリモートワークのコンピューター・プログラマーになるのが最高かも。

Image for article titled Future of Work:未来のしごとAtoZ

XはXenophobia(外国人嫌悪)のX。
グローバリゼーションから一転、
排他的な社会が訪れようとしている。
君の仕事は、他の国とは一切つながらず、
自分の住む国の中だけで完結するのかもしれない。

いま、国粋主義者たちが世界で台頭しているように見えるけれど、
これは一瞬の悪夢。
貿易や移民はこれからも増え続けるのだから。

Image for article titled Future of Work:未来のしごとAtoZ

YはYoung children(子どもたち)のY。
保育料は莫大で、滞納してしまうかもしれない。
自分のキャリアの障害になってしまうことだってある。

ならば、北欧に住むのがオススメ。
アイスランドやスウェーデンに住んでみてはどうだろう。
そこなら家族に優しい政策がとられている。
きっと、君が必要とするサポートを与えてくれる。

Image for article titled Future of Work:未来のしごとAtoZ

ZはZzzの略。
生産性を高めるためには、深い眠りは必須。
睡眠は重要だから、
仕事に関係なく、自分のための時間を取ろう。
なにも人生は仕事が全てじゃない。
そのスタンスこそ、成功へと導いてくれるはず。

(翻訳:鳥山愛恵・編集:年吉聡太)

🌍 ウェビナーシリーズ「Next Startup Guides」への参加申込みを受付中です。4月28日(水)に開催する第6回では、Global Brainの上前田直樹さんをゲストに迎え、英国を中心としたヨーロッパにフォーカスします。詳細・お申込みはこちらから


🚀 このニュースレターは、現在、期間限定で配信から24時間、ウェブ上で無料で閲覧できます。ニュースレター末尾のボタンからぜひシェアしてください。シェアいただいた方にはQuartzオリジナルステッカーと、ご友人をQuartzメンバーにお誘いいただける特別クーポンをお送りいたします。

🎧 Podcastもぜひチェックを。 AppleSpotify

👀 TwitterFacebookでも最新ニュースをお届け。

👇 のボタンから、このニュースレターをTwitter、Facebookでシェアできます。ニュースレターの転送もご自由に(転送された方へ! 登録はこちらからどうぞ)。